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アレクサンダーテクニークについて語ろう②|アレクサンダーテクニークをやって良かったこと

アレクサンダーテクニークを語ろう

筆者がアレクサンダーテクニークを学ぶようになって、7年になります。
アレクサンダーテクニークは体調不良改善の助けになったり、様々な動作のパフォーマンス向上に役立ったりするものです。
そこで、アレクサンダーテクニークを取り入れて良かった筆者の体験をご紹介します。

アレクサンダーテクニークの基本的な考え方

私たちは「頭で胴体を押しつぶす」ということを知らず知らずのうちに行っています。
頭で胴体が押しつぶされると、胴体の筋肉が収縮したまま固まります。
そして、胴体に連動する手足も同様に固まり、動きにくい状態となります。
これが習慣化しているため、私たちは動きにくい状態のまま、日常生活を無理やり送っているのです。
身体のどこかが痛いといった不調の原因の多くはここにあります。

そこで、「頭で胴体を押しつぶすことをやめれば、本来の身体の使い方ができるようになり、その結果、身体的機能を取り戻して、身体に起こる様々な問題に対応できる」というのがアレクサンダーテクニークの理論です。

アレクサンダーテクニークで良かったこと① 咳喘息に対処できる

筆者は30代後半から40代にかけて10年以上も咳喘息に悩まされました。
一時期は毎週のように病院に通って検査を行い、薬を取っ換え引っ換えして咳の原因を探っていましたが、コレという原因はわからず仕舞いでした。
「この薬なら前の週より咳が収まっているような気がする」という程度のことしかわかりません。
それも咳が出始めてから2カ月近く経った頃のことなので、本当にその薬による効果なのかまでは確定できるものではありませんでした。

そんなときにアレクサンダーテクニークと出会い、頭が胴体を押しつぶすことをやめて全身を広く長く使うことを意識すれば、気道も確保できることを知りました。
筆者の咳の原因はアレルギーなどではなく、いかに胴体を押しつぶさないかにあったようです。

アレクサンダーテクニークで良かったこと② ヨガのポーズが楽になる

ヨガを始めた当初はポーズができるようになることが楽しかったものですが、ある程度できるようになると、「もっとポーズを深めなければ」「キレイなポーズをとらなければ」といった思いに囚われるようになりました。
そして、「体幹をしっかりさせるためにお腹を引き締めなきゃ」というように、ポーズのアライメントばかりを気にして、どこかが痛くても無視し、「このポーズはこういうものだ」と自分を納得させていました。

でも、頭が胴体を押しつぶすことをやめたうえでポーズをとれば、それまで痛いと思いながら行っていたポーズが驚くほどスムーズにできるようになったのです。
また、たくさんの動作の複合体であるポーズにおいて、それらの動作には順番があり、手順を踏むことでさらにポーズが行いやすくなると、動作についての理解を深められました。

アレクサンダーテクニークで良かったこと③ 自分を許せる

筆者は、ヨガに限らず、教わったらその通りにしなければとストイックに実践しようとする性質です。
それでも思うようにできずに、できない自分を責めて、もっと頑張るべきだと突っ走りがちでした。

このように頑張ることを強いて、集中し過ぎている場合、身体ではほぼ確実に頭で胴体を押しつぶすことを行っています。
理想を追い求めて自分を責め、頑張ることを強いるということは実に精神的なものではありますが、同時に筋肉も収縮させて固まらせているのです。
肉体が動きにくい状態は視野を狭め、思考までも追い詰めることになるのです。

頭が胴体を押しつぶしていると、胴体の舳である脊椎のS字カーブも歪んでいます。
脳と全身をつなぐ神経は脊椎に沿って通っていて、脊椎のカーブが歪んでいれば神経も滞り、脊椎のカーブが元に戻れば神経も本来の機能を取り戻し、視野が広がるのです。
故に、頭が胴体を押しつぶすのをやめれば、周りのことにも目が行き届くようになり、思考に余裕が生まれます。
そして、「できない自分が許せない」と責めるより、「今の自分にできることができている」と考えられるようになりました。

おわりに

アレクサンダーテクニークを実践するようになって気づいたのは、それまでの自分はものすごく窮屈な人生を送っていたんだなぁということです。
「頭で胴体を押しつぶすのをやめる」ということだけで、咳喘息やヨガのポーズなどの肉体的な悩みの解決に加え、自分に対する考え方も豊かになったと思います。

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