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足首と足の構造からグラウンディングのやり方について考える

Body Mapping

グラウンディングって難しくてできないと思い込んではいませんか?
それは足裏で床面に対してなんとかしようと、筋肉が過剰に頑張っているせいかもしれません。
そこで、足裏と脚の解剖学的な構造に基づいた、無理のないグラウンディングのイメージ方法をご紹介します。

グラウンディングは難しいという思い込み

グラウンディングの方法として「足裏で床面を感じる」とか「足裏を床面に着地させる」と言われることがあります。
靴を履くことが普通である私たちは、足裏で地面を直接感じることはなかなかありません。
室内でも、床面を感じようとしながら生活することはまずないでしょう。
そのため、グラウンディングという行為が特別な行為のように感じられて、いざやってみようとすると上手くできないのではないかと思っていることはありませんか?

グラウンディングをしようとして身体に起こっていること

「足裏で床面を感じよう」「足裏を床面に着地させよう」という思考が頭をよぎった瞬間から、足裏や太もも、ふくらはぎなどの脚の筋肉に仕事をさせようと脳から指示が出ます。
ところがこれらの筋肉の仕事は、足裏を大地に沿わせるという行為に対して、必要以上に働いている場合が多いのです。
つまり、過剰に筋肉を働かせることによって、逆に足裏や脚にある様々な関節の可動域を制限させ、硬くしているということです。

そうなれば、足裏の感触というフィードバックが受け取りにくくななったり、受け取っているのに気づけなくなったりします。

足裏や脚の筋肉を働かせようとして硬くなる理由

私たちは“良い姿勢”や“背中をまっすぐにすること”へのある種の信仰があります。
特にヨガをしているとそういった姿勢に注意を払うことは顕著です。
さらに、タダーサナなどで足裏の3つのアーチを意識して体勢を安定させるように言われることもあります。
このような習慣が重なって、足裏で何かをしようと思った途端に周辺の筋肉が働き始めます。
そして、脳から一足飛びに足裏に思考が向うので、忘れ去られた胴体や脚(股関節、膝、足首)に余計な力が入り、その末端にある足裏まで硬くしてしまうのです。

効果的なグラウンディングのために頭や胴体、股関節、膝、足首を思い出す

そこで、足裏の筋肉に意識的に仕事をさせるよりも、重力が床面に向うイメージをすることによって無意識に働かせる方法をおすすめします。
胴体や脚を塊や棒ではなく、脊椎がカーブを描いていること、股関節や膝、足首という関節があって、その先が足裏につながっていること、そして重力は、それらを通じて足首に伝わることなどをイメージしてください。

ヨガでよく言われる通り、足裏の親指の付け根、小指の付け根、かかとの3点で3つのアーチを作ってバランスを取っているのは事実です。
でもその上に足首があって、重力は足首を通って足裏の3点へ分散します。
重力は足首に伝わるというのは忘れられがちですが、そのことを思い出すだけでバランスが変わり、安定感も増すことでしょう・

※足の解剖学的な構造についてはこちらの記事をご参照ください。
グラウンディングについて考える②足の骨の構造と動きの仕組み

おわりに

「足裏で大地を感じて」と言われると、意識はどうしても足裏ばかりに向うものです。
でも、私たちには胴体があって、股関節や膝、足首が存在し、全てが連動しています。
中でも足首は全身の重力を受け、足裏に分散させる集約点です。
足裏をイメージするよりも、「重力が胴体から脚を伝って、足首に向う」と思う方が、最終的に足裏が床面にしっかり着地してくれるかもしれません。

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