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テーブルポジションについて考える②アライメントを注意される背景にあるもの

Body Mapping

ヨガでテーブルポジションを行うときに、注意するべきアライメントとしてよく耳にするのが、「肩の下に手首」と「背中はまっすぐ」です。
どうして、何度もこれらの注意をされるのでしょう?
この記事では、テーブルポジションにおけるアライメントをテーマに、その意義と実際に身体で起こっていることについて考察します。

アライメントの意義「肩の下に手首」

テーブルポジションでは手で身体を支えるため、肩よりも手前や肩幅よりも狭い位置に手を置くと、手首に負担が掛かりやすくなります。
また、テーブルポジションからのキャット&カウなど、四つん這いの体勢でも自由に他のポーズが行えるよう、バランスがとりやすい状態である必要があります。
それらを踏まえて「肩の下に手首」は、腕が肩から重力に従って垂直に下がった、ニュートラルな位置を狙っているのだと考えられます。

アライメントの意義「背中はまっすぐ」の意義

テーブルポジションという名称ではありますが、身体はテーブルのように直線ではできていません。
腕と脚で両端は支えられているものの、真ん中に支えはないので、どうしても胸やお腹が落ちやすくなります。
イメージ的にはつり橋の方が近いでしょう。
それに対して、胸やお腹を落とさず、体幹を使うといった目的で「背中はまっすぐ」と指示されるのだと思います。

両手を床に着く前から既に身体を固めている

この2つのアライメントが効果的に行われるには、軸となる首や背中、腰、お尻に余計な力が入っていないことが前提となります。

しかしながら、ヨガに慣れ親しんでいる人の多くは、良い姿勢を心掛けるあまり、逆に首や背中、腰、お尻に必要以上の力を入れてしまっているようです。
胸を広げようとして、肩甲骨を背中に寄せてはいませんか?
お腹が落ちないように、やたらとお腹を引き締めていませんか?

頭を胴体に引っ込めたまま無理にアライメントを再現している

肩甲骨を背中に寄せていたり、お腹を引き締めていたりするときは、必ず頭を胴体に引っ込めて、頭頂部から尾骨を縮めています。
縮めているということは、首や背中、腰、お尻に余計な力が入っていて、本来の可動域が活かせない状態です。

そして、頭頂部から尾骨までを縮めた短いまま、「背中をまっすぐ」を再現すれば、首や腰で帳尻を合わせることになります。
首にも腰にも負担が掛かります。

また肩甲骨を背中に寄せたままでは、骨の構造上、腕は肩幅よりも外側へ開いてしまうので、「肩の下に手首」を持ってくるには、必要以上の動作とパワーを使うことになります。

おわりに

頭から尾骨までを短くしたままの時点で、上体は反り気味(脊椎の伸展)です。
その状態でテーブルポジションのアライメントの調整をすれば、当然のことながら、手首や膝は本来とは異なる位置になります。
残念ながら、自分の身体でそのような矛盾が起こっていると気付くことはほとんどなく、身体が矛盾したまま、さらに力技でアライメントの調整を行うケースが多いです。
「肩の下に手首」「背中はまっすぐ」と言われるのも、その一環なのかもしれません。

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