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歩き方について考える③|もっと上半身を動かして歩いてもいいんじゃない?

Thinking Body

歩くとき、脚を動かすことばかりに気を取られて、上半身が固まっていませんか?
歩きづらい、なかなか速く歩けないと感じたら、それは脚の運びではなく、上半身に問題があるのかもしれません。
この記事では、歩行という動作で忘れられがちな上半身にフォーカスします。

上半身を固めて歩いている人を見て

先日、横断歩道でこちらに向って歩いてくる人々を見て、気になることがありました。
たまたまですが、腰から上が固まったまま移動している、そんな印象を受ける歩き方をする人が3人ほど、ほぼ横並びで向ってきたのです。
そして自分はどう歩いているのかが気になり、注意して観察してみることにしました。
そうすると、一生懸命に脚を動かすことに執着していて、腰から上の胴体は意識の外にあることが多かったのです。

しかも脚を意識しているのに、股関節・膝・足首の可動域を無意識に制限させて、左右の股関節と太ももを交互に前に押し出すことで脚を動かす代わりにしていたという始末(詳しくは過去記事「歩き方について考える①|もっと膝を曲げて歩いてもいいんじゃない?」)。

歩くときの意識は主に脚で上半身は忘れがち

歩くという動作を行うのは脚の仕事ですから、脚を意識するのは当然のことです。
しかしながら、脚を動かそうと思って脚にしか意識が向かないというのは、それはそれで問題だと思いました。
頭や胴体のことがおろそかになってしまうと、身体は勝手に頭を胴体に引っ込め、上半身を固めてしまうからです。

上半身が固まると、連動して股関節も詰まります。
股関節が動きにくいとき、膝や足首も同じように動きにくくなるのです。

良い姿勢で歩きたいという思いがさらに上半身を固める

その一方で、「良い姿勢」をして歩かなければならないと思い込むことがあります。
そういった思い込みからくるイメージは背中をまっすぐにさせて、顔は前方を向けたまま動かないといった筋肉への操作につながり、結果として上半身を固まらせます。

歩けば身体の中で捻りが起こる

脚を動かして一歩を踏み出すということは、片方の股関節・膝・足首で動きが起こって、その脚が前へ出るということ。
そして、支えとなるもう一方の脚は後ろに残ることになります。
そうすると実にわずかではありますが、骨盤も踏み出す側は前へ、もう一方側は後ろに残り、骨盤全体としては回旋運動が起こっていてもおかしくないはず。
それなのに、上半身が前方を向いたまま動かないものだと思い込んでしまうと、動けるはずの余裕さえなくなって、腰や背中に不要な負担をかけてしまいます。

おわりに

上半身の中心となる脊椎は回旋して、捻る運動が可能です。
だから、
踏み出した脚に従ってバランスをとろうと上半身が動く、
反対の脚を踏み出したら上半身もそれに準じる。
そんな風に、脚に合わせて上半身に捻りなどの動きが起こることを許して歩いてみてください。
いつもより、素早くまたはスムーズに、あるいは優雅に歩けるのではないでしょうか。

脊椎で起こる捻りはわずかなもので、上半身と下半身を反対向きにさせるほど捻って歩けというわけではありません。
ただ、「上半身で捻りが起きてもいいんだ」「上半身が動いてもいいんだ」と思うことが、身体の内部を活性化させます。
たったそれだけの考え方の違いで、歩き方は変わることでしょう。

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