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反り腰ってどんな状態? 脊椎と骨盤で描くカーブは人それぞれ

Body Mapping

反り腰が気になる、反り腰だから腰痛がひどいという声をよく耳にします。
女性は特に反り腰という言葉に敏感なようです。
では、反り腰とはどういう状態を指すのでしょう。
この記事では、反り腰を解剖学的に考察し、改善する方法を紹介します。

反り腰とは骨盤の前傾が“過ぎる”こと

私たちの骨盤の運動には、前に傾く「前傾」と後ろに傾く「後傾」があります。
反り腰と呼ばれるケースの多くは、骨盤が過剰に前傾した状態が習慣となって、周辺の筋肉が固まっていることを指しているのだと思われます。

だから反り腰であることを指摘されると、坐骨が床の方へ向うように骨盤を立てようとしたり、お腹に力を入れて背中側の筋肉を緩めようとしたりします。

脊椎のカーブの中で骨盤はそもそも前傾している

もとより脊椎とは、緩やかなS字のカーブを描いています。
脊椎の上部である頸椎は前に向って弯曲し(前弯)、背中辺りの胸椎は後ろに向って弯曲し(後弯)、下方の腰椎ではまた前弯します。
つまり、脊椎の構造上、骨盤は基本的に前傾しているものです。

しかも、骨の形は人によって千差万別。
どのくらいの角度で骨盤が傾いていると反り腰となるのか、あるいはどのくらい骨盤を立てれば正しいアライメントといえるのか、正確な答えはありません。

反り腰は骨盤より脊椎全体の問題

それでも、骨盤が前傾し過ぎて腰椎の前弯がその人本来のアライメントよりも深くなると、バランスを保つために、頸椎の前弯や胸椎の前弯の具合も変わってきます。
その際に、頭を支える後頭下筋群や姿勢を支える脊柱起立筋群などを無意識に縮めて、脊椎にあるたくさんの関節の可動域を制限します。

さらにその体勢で保とうとするため、脊椎の中でもよく動く胸椎の一番下(T12)と腰椎の一番上(L1)の間にある関節で調整しようとして、負担を掛けます。
これが腰痛の主な原因です。

反り腰改善のポイントは脊椎全体が伸びるように意識すること

骨盤や腰を意識するよりも、脊椎の全てが伸びるように意識を巡らすことが、反り腰の改善につながります。
例えば、頭が胴体から離れていくと思うのもいいかもしれません。
脊椎を構成する椎骨と椎骨は椎間板というクッションを挟んでいるので、脊椎全ての椎骨と椎骨の間の隙間が広がっていくイメージをしてみるのもひとつの手です。
または、片手で頭頂部、もう一方の手で座骨を触って上半身の長さを体感すると、それだけで勝手に脊椎が伸びてくれることもあります。

おわりに

反り腰と言われると、腰や骨盤でなんとかしなければと思ってしまうものです。
でも実際には、脊椎全体のカーブが崩れた結果、「骨盤が他の人より前傾しているように見える」ということで、骨盤のアライメントだけで治るものではないのでしょう。
反り腰を気にしている人は、自分の脊椎が長いことを思い返してみてください。

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