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「背中まっすぐ」から脱却!ロールアップが身体の使い方に大切な理由

Thinking Body

ヨガでは「背中をまっすぐ」が基本ですが、前屈から起き上がってくるときに、脊椎を下から一つひとつ積み上げるロールアップをすることがあります。
「背中をまっすぐ」で体幹を鍛えるのに比べ、ロールアップは程よく力が抜けて簡単なようにみえますが、動作としてはロールアップこそ奥が深いものなのです。
この記事では、「背中まっすぐ」による弊害となりえることを紹介し、その背景からロールアップの重要性について考察します。

ヨガではまっすぐな背中を意識しすぎる

筆者は姿勢の悪さにコンプレックスを持っていて、背中をできるだけ伸ばすことを心掛けていました。
ヨガを始めてからは、「背中をまっすぐに」とか「おなかが落ちないように」とかよく言われていたので、余計に気にかかるようになりました。

ヨガにおいては、体幹を鍛えるといった意味合いで「背中をまっすぐに」と言っていたのだと思いますが、トレーニングを続けるうちに「まっすぐな背中=良い姿勢」であり、その姿勢でポーズをとることがヨガだと思い込んでしまっていたようです。
こういった思い込みは多くの人にあるのではないでしょうか?

まっすぐな背中が脊椎の自由度を邪魔する

姿勢を支えるのは、椎骨という骨が連なって柱となる脊椎(背骨または脊柱とも呼びます)です。
脊椎は緩やかなS字カーブを描いていてるので、そもそもまっすぐではありません。
また、カーブが微妙に変化し続けることによって、常に身体を直立できているようにできています。
つまり、椎骨一つひとつがいつでも自由に動き続けて、バランスをとれるようになっているのです。

しかし不思議なことに、脳はまっすぐな背中が良いものだという先入観があると、椎骨と椎骨をつなぐ筋肉を固めて、一つひとつの動きを制限させてしまいます。

まっすぐな背中を自由な背中にするロールアップ

ヨガのレッスンでは変則的に「背骨を下から一つひとつを積み上げるようにして起き上がりましょう」といった誘導で、ロールアップを促すことがあります。
まっすぐな背中を理想と思い込んでいる人にとって、ロールアップは椎骨一つひとつが動けるという事実を思い出させるトレーニングになるはずです。

ロールアップがうまくできない

ところで、筆者をはじめ、多くの人が既に椎骨一つひとつの動きを制限させることが習慣となっているため、下から一つひとつ順番にがうまくできていないことがあります。
自分では下から順番に起き上がっているつもりでも、脚や股関節よりも先に腰から起き上がっていたり、腰や背中などの部分的な塊で動いていたりしてはいないでしょうか?

そんなときは、前屈からロールアップに移行する最初の動作を丁寧に行ってみてください。
「膝が緩んで、重心がお尻の方に移動し、骨盤が起き上がる。それに伴って脊椎が下から順番に動いていく」というように動く順番を整理するといいでしょう。

おわりに

ヨがでは「背中まっすぐ」が重要視されがちですが、それも自由に動ける脊椎があってこそ活かされるものだと思います。
だから、椎骨を一つひとつを丁寧に意識するロールアップは「背中まっすぐ」の土台を作るのに効果的だといえます。
ロールアップはもとより、頭から頸椎、胸椎、腰椎、骨盤と順番に前屈していくロールダウンも積極的に取り入れていきたいですね。

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