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首が詰まらないようにするために肩を下げてはいない?

Body Mapping

ヨガをしていると「首が詰まらないように」と注意され、慌てて首を伸ばそうと肩や首回りを気にすることがありますよね。
でも、むやみに首を伸ばそうとして、逆に肩や首が痛くなることも。
この記事では、「首が詰まらないように」と言われて思わずやってしまうことについて検証します。

ダウンドッグなどでよく注意される首

「首が詰まらないように」というのはタダーサナのほか、ダウンドッグやアップドッグ、コブラのポーズ、テーブルポジション、キャット&カウなど、実に様々なポーズで聞かれる注意です。
特に両手を床に着くポーズが多いようです。
体重を腕でも支える必要があるポーズではどうしても肩に力が入りやすくなるため、それに伴って首も詰まりやすくなるからです。

首が詰まることによる影響

では首が詰まるとどうなるのでしょう?

首は身体の軸である脊椎の一部です。
首が詰まっているということは、頸椎の椎骨と椎骨をつなぐ筋肉が過剰に収縮して固まり、椎骨と椎骨の間が押しつぶされるということです。
そしてそれは首だけに留まらず、頸椎に続く胸椎、腰椎も同様です。
つまり脊椎全体が押しつぶされてしまうのです。
さらには脊椎につながる腕や脚にも押しつぶしが加わり、肩や肘、股関節、膝などの関節の可動域に制限がかかります。
そんな状態で手足を動かしたり、ポーズを維持しようしたりとすれば、無理が生じてケガをする恐れがあります。

また、呼吸器官である気道は脊椎に沿っているので、脊椎が押しつぶされれば、気道も押しつぶされ、呼吸は浅くなります。

そのような理由で、首が詰まらないようにすることはとても重要です。

首が詰まらないようにするために身体がしていること

さて、多くの人は、首が詰まらないようにと言われて無意識に何をするかというと、それは「肩を下げる」です。
確かに肩を下げると首は伸びたように感じます。
しかし残念ながら、肩が引き下げられるのに伴って、頸椎から下の胸椎や腰椎が押しつぶされることに変わりはありません。

しかも首を伸ばそうと思えば思うほど、肩や首周りの筋肉は首が詰まっているときとは別の方向に収縮しようと過剰に働いてしまうので、余計に肩や首が痛くなるかもしれません。

肩は外に広がると思う

そこで、「肩を下げる」の代わりに「肩は外側に広がっていく」と思ってみてください。
思考を「下に下がる」から「四方に広がる」にシフトするのです。
それで肩周りの窮屈さが解放されることでしょう。

「頭は脊椎の先に向う」というように、頭のことも意識にいれれば脊椎全体が勝手に伸びてくれます。

おわりに

首が詰まらないように伸ばそうとしていることが逆に脊椎全体を押しつぶして縮めているというのは、「肩を下げる」に限らず、色々な場面でよくあることです。
そのようなとき、思考はだいたい「下げる」「降ろす」など、下の方向に向いています。
たまには「身体の内側から四方八方へ広がるイメージ」をしてみると、いつもとは異なる首の伸びを感じられるかもしれませんね。

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