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ニッコリと微笑もうとして口元が引きつる理由

Body Mapping

写真撮影などでニッコリ笑おうとして口元が引きつるという経験はありませんか?
笑顔が苦手な人は表情筋が硬いと思われていることがあるようですが、筋肉の柔軟性だけが問題ではないと思います。
そこで、笑顔という行為を動作として解剖学的に分析し、より自然に微笑むためのアイデアを考えました。

表情筋がうまく使えない理由

うまく笑顔ができない理由として、表情筋がうまく使えないことが挙げられます。
そして豊かな表情のためには、表情筋を鍛えることが重要と一般的には言われているようです。
では、なぜ表情筋がうまく使えないのでしょう?

多くの場合、「微笑もう」「笑おう」と思って行うのは、口の端を「引き上げる」「吊り上げる」ということだと思います。
このとき、私たちは無意識に顔を平面として捉えて、その平面上で口の端を左右の斜め上に向って引き上げようとしています。

頭蓋骨は筒状で丸みがある

しかし、実際の頭蓋骨は筒のように丸みを帯びています。
食パンに思い切りかぶりつき、その歯形を観察してみてください。
楕円を半分にしたような形をしていますよね?
このように頭蓋骨の中でも、前歯と奥歯では位置はまったく違うところにあり、さらに耳の位置なども思い浮かべると、顔にはかなりの奥行きがあるということがわかります。

顔には奥行きがあるのに面で捉えると無理が生じる

それに対して、顔を平面と捉えて口周りの表情筋を動かそうとすると、実際の顔の構造に逆らった筋肉の使い方をすることになります。
写真撮影などではその状態をキープしようとするため、さらに無理が生じて、「顔がプルプルする」というようなことになってしまうのです。
笑顔を作ろうとして表情が逆に硬くなるというのは、仕方のないことなのかもしれません。

笑顔のポイントは顔の奥行きをイメージする

そこで、顔には奥行きがあることを意識してみましょう。
そして、「口の端が顔の丸みに沿って耳たぶの方に向う」を思いながら笑ってみてください。
「口の端を引き上げる」と思っているときよりもスムーズに表情筋が動いているのではないでしょうか。

おわりに

顔を平面と捉えるか、奥行きがあるものと捉えるか。
たったそれだけの認識の違いで表情筋の使い方は変わってきます。
表情筋も筋肉なので、使わなければ確かに衰えるものではあると思います。
ただ、顔に対する認識を見直すことで、表情筋を今よりも使いやすくできることも知っておいて損はないでしょう。

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