ヨガジャーナルオンラインで【体の「負」にまつわる思い込みシリーズ】を連載中! これまでの記事はこちらからご覧いただけます

【骨格模型改造計画2】肩甲骨の可動仕様をバージョンアップしました

Others

2022年6月に1/2スケールの骨格模型の肩甲骨を動けるように加工しました。
今回はその肩甲骨可動仕様を別の加工に変更。
前回と同じくレジンと透明シリコンゴムを使用し、できるだけ加工したところが目立たないようにしています。
試行錯誤しながらでしたので、完成まで3時間以上かかりましたが、実作業は恐らく1時間半くらいです。

旧バージョンの不満点

前回の仕様では小さなダイヤ型の透明ボタンを留め具として、ボタンからシリコンゴムが二股に分かれるパーツを作りました。
そしてシリコンゴムの二股の一方を菱形筋のように胸椎の棘突起の根元に、もう一方を前鋸筋のように肋骨にレジンで留めました。

解剖学的にかなり筋肉に忠実で、腕の動きもとても自由になったのですが、肩甲骨や腕がかなり重いために、使い込んでいると頼りなくなりました。
またちょっと大きな動きをさせたら、レジンで留めたシリコンゴムが簡単にすっぽ抜けてしまいました。
それに透明とはいえ、レジンのボタンや留めたところが目立って気になるようにもなり、もっとスマートにできないかと思うようになったのです。

制作に使用したもの

今回使用したの次の通り。

・ソフトタイプの透明色レジン液(パーツ作成用)
・ハードタイプの透明色レジン液(パーツ接着用)
・アクセサリーパーツのシリコンモールド
・シリコンゴム(直径1mm、2m以上)
・UVライトや爪楊枝など、レジン制作に必要な道具

レジン液をはじめとしたレジン制作に必要な材料や道具は、100均でも販売されていますね。
私がレジン制作に手を出し始めた頃には考えられないほど、手軽に手に入るようになったものです。
さすがにアクセサリーパーツを作るシリコンモールド(型)は、専門店で探さないと見つからないと思いますが。
シリコンゴムは今回、背中を横断するように左右の肩甲骨をつなぐため、余裕をみて2m以上用意しています。

レジンパーツ(ヒートン)を作る

今回は左右の肩甲骨をシリコンゴムで連結する仕様にします。
まずは、肩甲骨に開いているネジ穴から通して左右の肩甲骨をつないだシリコンゴムの中央部分を脊椎近くに留める部品を作ります。
当時閉店セール中だった銀座のユザワヤで、アクセサリーなどのパーツを作るシリコンモールドを見かけたので、その中のヒートンを採用することにしました。
ヒートンとは壁にモノをつり下げるときなどに使われる丸環ネジのことです。

モールドのヒートンの型にソフトタイプの透明色レジン液を流し込み、UVライトで硬化。
実際に使用するのは8個ですが、接着に失敗することも考えて12個くらい作っておきました。

ヒートンを脊椎に取り付ける

次にヒートンを脊椎に接着します。

ところで、肩甲骨を留めているネジを外すと画像のように、腕は胸鎖関節だけで胴体とつながっていることがよくわかります。
このままだと肩甲骨の重みで肩や腕が落ちっぱなしになり、作業がしづらいので、テープで肋骨に留めておきます。
今回は前の工作で既にネジを外していたので、テープで肋骨に固定することにしましたが、新品で行なうなら、ヒートンを接着してからネジを外す方がいいかもしれませんね。

さて、ヒートンを取り付けるのは背中側2カ所、喉・お腹側2カ所、合計4カ所です。
・胸椎1番と2番の棘突起の間
・胸椎5番と6番の棘突起の間
・胸椎1番の椎体
・胸椎11番の椎体

2つヒートンで棘突起や椎体を挟むように接着します。
接着にはハードタイプの透明色レジン液を使いました。

シリコンゴムを通す

いよいよシリコンゴムで左右の肩甲骨をつなぎます。
直径1mmのシリコンゴムを2本束ねて通します。

私の骨格模型の肩甲骨は3カ所(左右で6カ所)がネジで留められていて、そのうちのの一番上のネジ穴同士と一番下のネジ穴同士をつなぐことにしました。
一番上のネジ穴に通したシリコンゴムは背中側では胸椎1番と2番の棘突起の間に接着したヒートンに、喉の方は胸椎1番の椎体に接着したヒートンに通します。

一番下のネジ穴を通したシリコンゴムの背中側は胸椎5番と6番の棘突起の間に接着したヒートンに、お腹側は胸椎11番の椎体のヒートンに通します。

胸郭に遮られて作業が難しいですが、喉側・お腹側で結ぶと見た目がスッキリします。

完成

肩甲骨が解剖学的正位にできるだけ近い位置になるようにシリコンゴムの長さを調整したせいか、旧バージョンに比べると動きは硬いですが、「肩甲骨は肋骨の上を滑るように動く」ということは表現できていると思います。
見た目も旧バージョンより美しく、満足です。

おわりに

実はこの仕様を見た何人かの友人から、自分の骨格模型も加工してほしいと依頼を受けました。
肩甲骨可動仕様の骨格模型が皆さんの役に立って何よりです。

なおこの記事は、肩甲骨が固定されている骨格模型を加工することによって起こり得る弊害(故障など)についての保証はできません。
もしこの記事を見て、ご自分の骨格模型を加工してみようと思っても、肩甲骨を固定しているネジを外したり、レジンで加工したりすることはあくまでも個人の責任の元に行なってください。

材料等のリンク一覧

・骨格模型
手が届く価格で関節の可動性などが理想に近いのがこちらの骨格模型(2022年4月時点で20,000円弱)でした。
でも最近は値崩れが激しいような…
他のメーカーの製品も混ざっているようなので、購入時には気をつけてください。
筆者の骨格模型はfrugolio casa製で、肩甲上腕関節と股関節に白いゴムひもとゴムひもストッパーが使われているので、屈曲・伸展・内転・外転・内旋・外旋ができます。

・シリコンモールド
アクセサリーなどに使うパーツを自分で作れるようになるなんて、本当に便利な世の中になったものです。
ちなみにこのモールドは本当に小さいので、爪楊枝などで端までレジン液が流し込まれるようにしてくださいね。

・シリコンゴム
今回は長めに必要だったので、こちらを使用しました。
直径は0.4〜1mmまで選べます。

タイトルとURLをコピーしました