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陰ヨガのポーズを考える|スパイナルツイスト②脊柱のねじりを補う動作

Body Mapping

陰ヨガのスパイナルツイスト(脊柱ねじりのポーズ)を考察するシリーズ第2弾。
ねじりのポーズと聞くと、脊椎の回旋運動ばかりをつい考えがちです。
しかし、脊椎の回旋には限度があり、ねじりを深めるには他の部分の参加が必要不可欠。
そこでこの記事では、ねじりを補う動作とスパイナルツイストのポーズバリエーションについて紹介します。

スパイナルツイストを骨格的に分析すると

このポーズの主要な動きは、その名が示す通り、脊椎の回旋です。
ところが、脊椎の全てが均等に回旋してねじれるわけではありません。
脊椎は頸椎(首)、胸椎(胸または背中)、腰椎(腰)、仙骨・尾骨(骨盤)に分かれますが、回旋できるのは主に頸椎と胸椎だけです。

股関節の内旋・外旋でねじりを補完

脊椎の最後尾である仙骨・尾骨は骨盤の一部でもあり、骨盤の向きが顔と反対の方へ向くことによって、脊椎全体のねじりを深めることができます。
このとき、骨盤と脚をつなげる股関節のうちの片方では内旋、もう一方では外旋が起こっています。

腕を横に広げて結合組織のストレッチをする

スパイナルツイストを補っている、もうひとつの要素が腕です。
腕は、肩甲骨と鎖骨を通して胸郭延いては胸椎につながっています。
これらの骨格はたくさんの筋肉でつながっており、さらには筋肉や腱などを覆う結合組織でもつながっています。

そして、膝を向けたのとは反対側の腕を横に広げることで、脊椎と腕をつなげる筋肉、腕から脊椎を通ってお尻までつながる結合組織全体でねじりを深めることができます。

ポーズのバリエーションとして脚の組み方や手の位置を変える

スパイナルツイストのバリエーションでは、重ねて倒している上の脚を下の脚と組んだり、下の脚を伸ばして上の脚の膝をより床に近づけようとしたりします。
これは股関節の内旋・外旋(特に上の脚の股関節の内旋)を利用していることになります。

また、手を床の上で移動させると腕の広がり具合も変わり、腕から脇、腰、お尻にかけてのねじりが微妙に変化します。
ストレッチしすぎて辛いときは手を体側の方へ、思い切り伸ばしたいときはバンザイするように頭の向こうへ持っていきます。

おわりに

スパイナルツイストでは脚の組み方や手の位置を少し変えるだけで、ねじりによるストレッチ感がかなり変わるものです。
これは、このポーズが単に脊椎を回旋させるだけではないということを意味しています。
ねじりには股関節も腕も参加しているのだと、改めて意識して行ってみれば、今までとは違う体験が味わえるかもしれません。

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