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お腹を引き締めれば息苦しいのは当たり前!ウディヤナバンダの考え方

Body Mapping

ハスヨガマガジンの「ウディヤナバンダは、なぜ苦しい?正しい身体の使い方を知ろう|使える解剖学」でバンダを使おうという意識が息苦しくさせることがあるとお話しました。
また、本サイトの前の記事では、呼吸の仕組みについてお伝えしました。
続いて今回は、ウディヤナバンダの意識の仕方次第で呼吸がどう変わるのかを考えてみます。

呼吸のたびに内臓は移動している

呼吸の仕組みのおさらいです。
肺を覆うように肋骨があり、肋骨の底をフタするように横隔膜という筋肉があります。
さらにその下には、胃や腸などの内臓があります。

そして、息を吸うときに横隔膜が下がって肺が広がり、それに押されて内臓はお腹の方へ移動します。
反対に吐くときは、横隔膜が上がって肺が小さくなり、それに連れられて内臓は元の位置に戻ります。

ウディヤナバンダでお腹を締めるとどうなるのか

バンダには「締める」という意味があり、ウディヤナバンダを使おうと私たちは無意識にお腹を引き締めようとします。
実際に身体が行っていることは、腹筋に力を入れておへそを背中の方に引っ込めるといったことでしょう。

呼吸毎に内臓は移動しているので、お腹には内臓が移動してきても問題がないほどのスペースが必要です。
それなのにむやみに腹筋に力を入れたり、おへそを背中の方に引っ込めたりすれば、当然のことながら内臓が移動してくるスペースがなくなります。

「もっと空気を取り込みたい」が問題になることもある

この空気が取り込みにくくなった体内環境でもっと空気を取り込むために肋骨を広げようとすると、首や背中が緊張します。
恐らく、腹筋に力を入れた時点で腰椎もかなり緊張しているはずですから、脊椎全部が緊張して、自由に動かなくなっていることでしょう。
肺を覆う肋骨は脊椎と繋がって連動しているのですから、肋骨は余計に動きにくくなります。

脊椎が短くなると取りこめる空気も少なくなる

脊椎が緊張して動かなくなるということは、脊椎のカーブが歪んいるということでもあります。
本来は緩やかなカーブで全身のバランスを保っているのに、腰椎だけカーブがひどくなっているとか、頸椎がストレート気味になっているとか。
それは本来のカーブのときよりも脊椎が短くなって、その分、肺も押しつぶされている状態です。

こうして

お腹を締める→
内臓のスペースが狭くなる→
内臓が移動できない→
肺が広がれない→
空気が取りこめない→
肋骨を広げようとする→
脊椎が緊張して短くなる→
肺が押しつぶされる→
さらに空気が取りこめない

という悪循環の構図ができ上がります。

おわりに

ウディヤナバンダに限ったことではありませんが、バンダと言われて無理に締めようとすると、やりたいと思っていたことと全く違うことを身体がしていることがあります。
その要因は、身体の中で何が起こっているのかという構造や仕組みと無意識に身体がやっていることが合致していないことが多いのです。
構造や仕組みを知るだけでも、脳が身体に出す指令は変わってくるため、知識を基に実践してみてはいかがでしょう。

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