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身体の使い方が骨盤底筋群に及ぼす影響とは

Body Mapping

ハスヨガマガジンの「膣トレをヨガでもっと効果的に」で話題の膣トレについてお話しました。
膣トレとは膣を含む内臓を胴体の一番下で支える骨盤底筋群をトレーニングするエクササイズのこと。
でも、エクササイズばかりに目がいき、なぜ骨盤底筋群が弱ってくるのかといった原因にはあまり言及されていません。
そこでこの記事では、身体の使い方と膣や骨盤との関連性について考えてみます。

脊椎の構造と役割

まずは、膣や骨盤底筋群が位置する胴体を支える脊椎のお話をしましょう。
私たちの脊椎は直立二足歩行を可能にするため、カーブを描いてバランスをとるようにできています。
7個の頸椎、12個の胸椎、5つの腰椎、仙骨と尾骨(骨盤の一部)で脊椎は構成されていますが、一つひとつの骨(椎骨)の間には椎間板があり、この椎間板がスポンジのような役割をしてバランスを保ち、様々な動作ができるようになっています。
そしてその動作を行っているのが、椎骨と椎骨を繋いでいるインナーマッスル。
立ったり座ったり歩いたりといった大きな動作の際はもちろんのこと、直立を保ったり呼吸をしたりといった微細な動作のときでさえ、このインナーマッスルは収縮・伸長をしています。

頭を脊椎の方へ引っ込めるという身体の使い方

ところが現代では、様々な要因から頭を脊椎の方へ引っ込め、脊椎のカーブを歪めていることが多いようです。例えば、スマホやパソコンの使いすぎによるストレートネックや胸を張って腰に負担を掛ける「良い姿勢」への誤解など。
このときに私たちが無意識に行っている動作が、頭を脊椎の方に引っ込めるというものです。
スマホやパソコンの画面をのぞき込むのも、「良い姿勢」のために背中をまっすぐにして首や腰が必要以上に曲がるのも、脊椎を歪ませることになり、身体の使い方の悪い例となります。

脊椎が歪みが膣や骨盤底筋群にどう影響するか

脊椎が歪んでいるとは、本来の長さよりも脊椎が短いままの状態が習慣化しているということ。 つまり胴体も短く、胴体の空間そのものが狭くなります。 すると、その中に入っている内臓も本来の位置よりも押し下げられてしまうため、機能も低下してしまいます。 それは膣も同様です。

一方で脊椎の歪みは、脊椎の椎骨と椎骨についているインナーマッスルが収縮して緊張状態のままでいるということでもあります。 骨盤底筋群もインナーマッスルの一つ。全てのインナーマッスルは連動しているので、脊椎側が萎縮して使われないと、骨盤底筋群も本来の使われ方がされないことになります。

以上のことから、脊椎が歪んでいることが、内臓の面からもインナーマッスルの面からも、膣や骨盤底筋群に良いことだとはいえないのです。

膣や骨盤底筋群の機能性を取り戻す方法

では、膣や骨盤底筋群への悪影響を取り除くにはどうしたらいいのでしょう?
それは話の始まりに戻って、頭を脊椎の方へ引っ込めるという習慣を止めることしかありません。
ただ残念ながら、「私、今、頭を脊椎の方へ引っ込めている」と普通は自覚して止めるのはできないものです。
私たちYOGA BASE LABでは「脊椎は頭の方に伸びると思って」「頭頂部から尾骨までの長さを思って」「頭が今まで自分が思っていた以上に高い位置にあると思って」といったことを、ヨガのレッスンの中で何度も言うことがあります。
それは様々な言葉を使って、頭を脊椎の方へ引っ込めることを止めさせようとしているのです。

まとめ

頭と脊椎は身体の軸と言われていて、内臓の機能や筋肉を左右するもの。
膣トレが騒がれる背景には、現代社会における習慣を端とする悪い身体の使い方があったと考えられます。
トレーニングすることは当然ですが、エクササイズに入る前に身体の使い方を見直すのも一つの手かもしれませんね。

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