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胸椎の構造を知って背中の認識を見直そう

Body Mapping

ハスヨガマガジンの「ヨガシークエンスよりも大事な言葉選び「背すじ or 背骨 or 脊柱」|ヨガインストラクターのためのレッスンプラン」で、せすじ、背骨、脊柱、脊椎などの言葉を使うことについて触れました。
いずれも、姿勢を正すために背中をまっすぐに伸ばすといったときに使われます。
また、本サイトの記事でも背中は勘違いしてイメージしやすいことも紹介しました。
この記事では、背中を構成する骨を解剖学的に解説します。

背中に対するイメージ

一般的に背中といわれると、上半身の後ろ側をイメージすることでしょう。
「背」という漢字には後ろ側という意味があります。
また、背骨の存在も大きいと思います。
身体の背面に手を回すと、背中と思われる辺りで触覚として目立つのは背骨だからです。

背中は緊張させやすい

このように、言葉の印象や触れて感じられる部分などの情報で、私たちは背中というもののイメージを作り上げています。
さらには、「良い姿勢を心掛けよう」という思いがそのイメージに拍車をかけ、「背中をまっすぐ」にしようとしてしまいます。
こういうったイメージの繰り返しによって、背中とは「胴体の後ろ側にある板のようなもの」と思い込んでしまうのです。
そうすると、その思い込みに合わせようと身体は背中を緊張させて固めてしまいます。

背骨(胸椎)の構造

さて、背骨とは脊椎を構成する骨の一部である、胸椎(場合によっては腰椎まで入るかもしれませんが)のことです。
脊椎は椎骨という骨を積み木のように積み上げて形成されています。

胸椎に限らずですが、椎骨は上から見ると、椎体という半円型の柱の部分があり、そこに椎弓と呼ばれる弓のようなものがついています。
弓には3つの突起があり、そのうちの真ん中の1本(棘突起)が背中で触れられる部分です。

背骨というより胴体骨

実際に触れるのが棘突起なので、その部分だけをもってして背骨だと思ってしまいがちです。
ところが、椎骨単体でみると棘突起以外にも椎体という大きな部分があり、椎骨一つひとつを積み上げて身体を支えているのは、むしろこちらです。
棘突起が胴体の端(背中)にある一方で、椎体は胴体の中の方にあります。
そう考えると、背骨というより胴体骨といった方がいいかもしれないですね。
胴体骨と思った方が、同じ姿勢を保っていても少し気が楽になりませんか?

おわりに

今まで背骨と思っていたものが、実は背骨のほんの一部だったというのはかなり興味深い点です。
また、背骨といいながら、実際に上半身を支えている部分は胴体の奥にあるというのも盲点です。
私たちは自分の身体なのに勘違いをしていることがたくさんあります。
身体のどこかが緊張しているとか痛いといったときは、勘違いがひどくなっている証拠ですから、身体の構造に目を向けて勘違いを見直してみるのもいいと思います。

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