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解剖学的な視点からシャバーサナの誘導方法を考える

Body Mapping

ハスヨガマガジンの「シャバーサナの効果的な誘導とは?《ヨガインストラクター向け》」で「シャバーサナの効果を深める5ステップ」を紹介しました。
この誘導はYOGA BASE LABが考える解動学(解剖学+動きの分析)に基づいて導き出した一例です。 この記事では、その誘導に補足して詳しく解説していきます。

シャバーサナの誘導例

ハスヨガマガジンの記事では簡略化して5ステップとしましたが、もう少し追加したものを紹介します。 頭がある方を前の壁、足がある方を後ろの壁としています。

  1. スタートはマットに腰を降ろした状態から。両膝を立てて座る。
  2. 後ろ手で身体を支えつつ、お尻をかかと(前)の方にずらす。
  3. 腰から脊椎の骨を下から一つひとつ順番に着け、頭まで下ろす。
  4. 「膝は外の方へ向かうように自分から離れる」と思いながら、片脚ずつ伸ばす。
  5. 「頭は前の壁の方へ、脚は後ろの壁の方へ伸びていく」と思う。
  6. 両手を胸の前で軽く抱きしめる。
  7. 片手ずつ肩→肘→手首→手の順で床に着ける。

座って仰向けになるまでが重要

1〜3のステップはお尻や背中を緊張させないための誘導です。 膝を立てて後ろ手で身体を支える、緩い体育座りからお尻をを少し前にずらすという動作は、強制的に骨盤を後傾させます。 骨盤が後傾すると腰椎のカーブも緩くなるので、仰向けになったときに腰とマットの間のすき間が少なくなります。

続けて、腰椎→胸椎→頸椎→頭と、脊椎を下から順番に動かしてマットに着けることで、胴体がブロックのような塊ではなく、連動して動けることを身体が思い出させます。 背中がマットに着く範囲がいつもより広くなっていることでしょう。

膝はがに股のように開くと余計な力が入らない

立てている膝を伸ばすとき、何も考えずにまっすぐに伸ばしてから足幅を調整すると、どうしても太ももやお尻の余計な筋肉を使ってしまいます。 そこで4では、余計な筋肉を使わずにすむよう、股関節を外旋させながら膝を伸ばす(がに股のように)ように誘導しています。 「膝は外の方」と思えば、足もそれに合わせていきたい方へ動くはずなので、足幅を後から調整することもないでしょう。
両脚一緒に行うより、片脚ずつ丁寧にやる方がいいでしょう。

思うだけで詰まった関節の間が伸びてくれる

5は、頭から足までの関節の詰まりから解放させるイメージの誘導です。
私たちは日常的に身体の各部分を緊張させて動くことが習慣となっているので、その緊張から解放させるのです。
ここでポイントとしたいのは、「伸ばそうとする」のではなく、「伸びると思う」こと。
伸ばそうとするとまた緊張してしまうので、伸びていくんだな〜と思うだけで充分です。

腕を抱きしめて背中の緊張をほどく

6と7は肩や背中の緊張をほぐしつつ、両手をマットに下ろす誘導です。
胸の前で両腕を抱きしめることで、肩甲骨をマットから離して自由に動ける状態を作ります。
それから、肩→肘→手首→手の順で床に着けると、身体はそれぞれの存在を認識し、順番に動くことを思い出してくれます。
このステップも片手ずつ行ってくださいね。

おわりに

仰向けに寝ころぶという行為にも様々な動作があり、方法によっては寝ているのに緊張してしまうことがあります。
仰向けになってもどこかに違和感を感じるというとき、上述の解動学視点での寝ころび方を試してみてください。

↓元ネタのハスヨガマガジンの記事↓

https://www.hasyoga.net/magazine/yoga-base-lab-shavasana-instructor/

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https://www.hasyoga.net/yogaclasses/small/breathingyoga/

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