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陰ヨガのポーズを考える|スパイナルツイスト①脊柱のねじりの仕組み

Body Mapping

陰ヨガの代表的なポーズ、スパイナルツイスト(脊柱ねじりのポーズ)を考察します。
スパイナルツイストに限らず、アルダマッツェーンドラーサナをはじめとしたねじりのポーズでは、どうしても腰に意識がいきがちです。
それで腰を痛めたという経験がある人も多いことでしょう。
この記事では、脊椎のねじりについて解剖学的に紹介します。

陰ヨガのスパイナルツイストのポーズとは

仰向けのねじりのポーズである、スパイナルツイストの基本的なやり方は次のようなものです。

仰向けで両膝を立て、左右どちらか一方に両膝共に倒します。
そして、膝を倒した方とは反対の腕を横に広げます。顔も膝とは反対の方に向ければ、ねじりは深まります。

脊椎は部分によってねじれるところとねじれないところがある

スパイナルツイスト(脊柱ねじり)とは、脊椎における回旋運動のことです。
脊椎は頸椎(首)、胸椎(胸または背中)、腰椎(腰)、仙骨・尾骨(骨盤)に分かれますが、これらが均等にねじれるわけではありません。
骨の形の造りとして、回旋ができる部分とできない部分があります。

最もよく回旋できるのは頸椎です。
次に胸椎も、頸椎ほどではありませんが、緩やかに回旋します。
しかしながら、胸椎は頸椎や腰椎に比べて長いので、緩やかながらも脊椎における回旋運動の大部分を担っています。
逆に、一般的によくねじれそうと思われがちな腰椎が、実はほとんど回旋できない構造になっています。

腰でねじれると思ってしまう理由

では、スパイナルツイストで腰がねじられているように感じるのはどうしてでしょうか?

それは股関節で、一方の脚が内旋、もう一方の外旋を起こし、骨盤の向きを変えることによって、腰椎までがねじれていると感じてしまうからです。

腰でねじろうと思うと緊張が生じる

腰椎は回旋できないにもかかわらず、腰でねじろうと意識すると、無意識に腰椎周辺の筋肉に力が入るものです。
腰椎は回旋運動ができない構造ですから、力が入れば、その部分を固めるという状態に陥ります。
その上でさらに頑張ろうとすると、脳はできないことを実行しようと筋肉に命令を出し続け、腰を痛めることになるのです。

おわりに

脊椎にフォーカスしてねじりについて考察すると、腰だけはねじることができません。
それなのに私たちはねじろうと思うと、本能的に腰でねじろうとしてしまうことがよくあります。
スパイナルツイスト(脊柱ねじり)という名称の通り、首から骨盤までの全てで動くと思ってねじってみてください。

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