ヨガジャーナルオンラインで【体の「負」にまつわる思い込みシリーズ】を連載中! これまでの記事はこちらからご覧いただけます

【からだの使い方流アヒンサー その2】肯定形の文章でいこう

Thinking Body

ハスヨガマガジン掲載の「アヒンサー(非暴力)を実践するには、骨格の知識が必要|ヨガが深まる裏技」では、アヒンサーとヒンサー(暴力)について、現代社会の事情を踏まえて解説しました。
この記事では、YOGA BASE LABが考えるアヒンサーという言葉について考えていきます。

woman with open arms meditating in front of a spectacular sky

アヒンサーって何だろう?

ヨガを実践しているとアーサナ(ポーズ)を行うだけではなく、瞑想に励んだり、ヨガ哲学を学んだりしている人は多いことでしょう。
ヨガ的な思想に取り組む中で出会う言葉にアヒンサーがあります。
アヒンサーとは非暴力、または不殺生を意味します。
心の平穏を旨とするヨギーにとって、とても重要な言葉ですね。

この言葉の根本にあるのは、徹底した禁欲主義のジャイナ教です。
その教えでは「如何なる生物も傷つけないこと」とあるそうで、私感としては、アヒンサーは不殺生が土台にあり、そのための手段が非暴力だと思われます。
ビーガンフードもこの教えに基づいているところがあり、厳格なジャイナ教のビーガンフードでは、土を掘り起こす際に土中の虫を殺すことになるから根菜なども食べないそうです。

アヒンサーという言葉の定義を考え直す

ただ、これを読んでいる多くの皆さんの多くは、現代社会の様々なしがらみに合わせて生きていて、そこまで厳格にアヒンサーを徹底することは難しいと思います。
「ヨガをしているんだから、人にも自分にも優しく」と思ってはみるものの、日々襲われる様々なストレスでままならず、「あ〜、私ってダメだ」ってなることも。
そこで、新たにYOGA BASE LAB流にアヒンサーという言葉について考え直してみることにしました。
不殺生・非暴力、つまり「殺したり傷つけてはならない」「暴力をふるってはならない」ということ。ひょっとしたら、このような文章で表現をしていることに問題があるのかもしれません。
なぜなら、否定形の文章だから。

なぜ否定形の文章が問題なの?

私たちの脳は否定形をそのまま受け入れるようにはできていません。
「暴力をふるってはならない」と思うと、暴力をふるうイメージが先にあって、次にそれはダメだという思考回路になります。
これは脳にとってそれなりのストレスになるようで、「〜しちゃいけない」と思った時点で身体は緊張状態になってしまうんです。
このような思考は精神的にだけではなく、肉体的にも影響を及ぼします。
上述の緊張状態とは、頭蓋骨が脊椎に向かって引き下げられるということです。
頭蓋骨と脊椎の筋肉が必要以上に使われて、本来なら必要ないはずの余計な力みを生んでしまいます。
身体の軸である頭蓋骨と脊椎が力んでいると、軸につながっている股関節や手脚も連動して硬くなり、全身がぎこちなくなってしまうのです。

そのような精神や肉体の状態を長く続けるとさらにストレスが溜まり、思うようにうまくいかなければまた自分を責め、と悪循環に陥ることになりそうですね。

否定形の代わりに肯定形や誘いの文章で考えよう

「暴力をふるってはならない」の代わりに、暴力をふるわないその先を考えて、「自分に優しくしよう」「相手に優しくしよう」という文章を使ってみたらどうでしょうか?
自分が心からそうしたいと思えるような、肯定形の文章に置き換えてみるのです。
「自分に優しくしよう」の意味の幅が広すぎて、どこから手を付けていいかわからないなら、今自分が何をしたいのかに思いを馳せるのがいいでしょう。
「相手に優しくしよう」の幅が広すぎるなら、「相手の話を聞こう」とか「相手にプレゼントしよう」とか。
自分や相手を取り巻く状況を見直して、相手の好きなことを話題にしたり、一緒にやりたいことに誘ってみたりするのもいいかもしれませんね。

おわりに

否定形の文章で物事を考えると、それだけで義務感や責任感で自分を追いつめることがあります。
その代わりとして、前向きになれるような肯定形の文章で考えるようにすること、それこそが自分へのアヒンサーなのでしょう。

↓元ネタのハスヨガマガジンの記事↓

https://www.hasyoga.net/magazine/ahimsa-be-gentle-to-your-self/

↓機能的な身体の使い方を重視する陰ヨガを体験↓

https://www.hasyoga.net/yogaclasses/small/breathingyoga/

↓解動学(解剖学+動作の分析)を学ぶ↓

集中コースは2020年9月開催予定です!
タイトルとURLをコピーしました