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【からだの使い方流アヒンサー その1】結果より経過が大切

Thinking Body

ハスヨガマガジン掲載の「アヒンサー(非暴力)を実践するには、骨格の知識が必要|ヨガが深まる裏技」では、ヨガを実践しているとどうしてもぶち当たる壁、アヒンサーを乗り越える解決策のひとつとして、「骨格についての知識をつける」を挙げました。
この記事では、どうして知識を身につけることがアヒンサーとなるのか、もう少し考えてみました。

Women exercising in fitness studio yoga classes

ヨガのポーズって、どうしても形を追い求めてしまう?

レッスンでは「できなくても大丈夫」「その日の体調に合わせて」といって、一つのポーズでも様々な段階のバリエーションを提示してくれるものです。でも、SNSや雑誌などを通して、「戦士のポーズ2はコレ!」というようにある程度のポーズの最終形態はすでに存在しています。
また、ケガの予防策として「あしの角度はこう、前傾しないように体幹をしっかり保って…」など、アライメントを詳しく指示することもありますね。

そうすると、どれほどのバリエーションで段階を踏んでいたとしても、「この形にしなくては」という気持ちが先にあって、形という結果だけに囚われてしまうことになります。

なぜ結果ばかりが先立ってしまうの?

考えられる理由としては、見て聞いたときの形をお手本として、「理想に近づこう」という思いで頑張ってしまうからだと考えられます。
インストラクターのお手本を見ると、「戦士のポーズ2はこうでなくちゃ」とすり込まれてしまうんですね。

目標があって、それに向かってトレーニングをすることは素晴らしいです。
ただ、「お手本と同じ形にする」を目標としてしまうのは危険かもしれません。
そこにあるのは、「お手本と同じ形になるように、あしの角度に注意して身体を動かそう」といった、結果に基づいて身体を使う考え方なんです。
さらにいえば、お手本の人とあなたでは骨の形や筋肉のつき方が違うのは当然のはず。
でも、それを人それぞれに備わっている“個性”と考える前に、トレーニング不足のせいだけにしてしまっている可能性もあります。

形に合わせて動くより、身体を動かしたらその形になったと考えよう

そこで提案したいのが、考え方のシフトチェンジ。
「お手本と同じ形なるようにアライメントに注意しよう」をやめて、「身体が動く方向に合わせて動いたら、自然とアライメント通りになる」と考えてみたらどうでしょう?
そして「結果的にお手本に近づいた」のです。

「どうすれば戦士のポーズ2の骨盤やつま先の向きになるのか」を考える

例として、アライメントでよくみかける戦士のポーズ2の骨盤とつま先の向き「骨盤は横向き、前脚のつま先は正面、後ろ脚のつま先は90°」を考えてみます。

考え方のポイントはどう動くか。
どんなポーズでも、どのようなアライメントでも、それは区切られた一瞬の出来事ではありません。
ある形から別の形へ移行し続けるものであり、そこには必ずプロセスが存在します。
戦士のポーズ2をしようと思ったとき、その一歩前のポーズ(今回はタダーサナ)から考えてみるとわかりやすいでしょう。

  1. タダーサナで立つ
  2. 股関節が動いて上半身が前に傾くと片脚が浮きやすくなるから、それに合わせてその脚を後ろに引く
  3. 顔を横に向ければ、連動して肩や胴体、骨盤も横を向く
  4. そして、後ろに引いた脚のつま先も胴体と同じ方向を向く
  5. そうすると戦士のポーズ2のつま先の角度になる

このように、「骨盤は横向き、前脚のつま先は正面、後ろ脚のつま先は90°」の中にも、全身でみれば非常に多様で複雑な動作が起こっています。
自分がどのように身体を使うことで、その形となったのかをひも解いて、それを実践してみると、いつもとは異なる感覚を味わえるかもしれません。

「どう動くか」に必要となるのは知識

「戦士のポーズ2の脚だけでこんなに色々なこと思いつかない」という人も多いと思います。
そんなときに有効なのが、私たちの身体を形作る骨格がどういう形状をしていて、どういう動きとなるのかという身体の仕組みを知ること。
単に骨や筋肉の名前や働きを勉強するのではなく、骨の形状から身体が動く理屈を理解できるといいでしょう。
YOGA BASE LABでは、動作を分析するという視点で考える解剖学を「解動学」と名付けてお伝えしています。

漠然とした“知っている”が具体性をもった知識として認識できると、脳から全身に送る指示が変わり、その人が持っている本来の可動域に近い動きができるようになります。

おわりに

「○○のポーズをする」から「身体のどこどこを動かしたら○○のポーズになった」と考えると、それだけで気分が変わりませんか?ポーズはこうでなければという考え方やそのために無理にトレーニングをすることも、ある種の自分へのヒンサーです。でも、考え方を変えたり、その土台となる知識を身につけることでアヒンサーに近づけるなら、試してみてはいかがでしょうか?

↓元ネタのハスヨガマガジンの記事↓

https://www.hasyoga.net/magazine/ahimsa-be-gentle-to-your-self/

↓機能的な身体の使い方を重視する陰ヨガを体験↓

https://www.hasyoga.net/yogaclasses/small/breathingyoga/

↓解動学(解剖学+動作の分析)を学ぶ↓

集中コースは2020年9月開催予定です!

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