イスから立ち上がる際に「どっこいしょ」となりそうになることはありませんか?
口に出さないまでも、立ち上がるという行為を行うには無意識に力が入るものです。
この記事では「どっこいしょ」で身体が何をしているのかを考察し、無理なく起き上がる方法を紹介します。
立ち上がるとは重心の移動
立ち上がるという行為はイスなどに座っている、あるいは床にしゃがんでいる状態から、立つという状態に変化することです。
その変化を起こすために必要なのは重心の移動です。
イスに座っている状態について考えてみましょう。
イスに座っているとき、重心大半は座面の上の坐骨に乗っています。
姿勢によっては骨盤が後傾気味で太ももの方で重さを支えていると感じるかもしれませんが、立ち上がろうと思うときの重心は必ず坐骨のはずです。
一方、立っているときの重心は足首の上に乗っています。
だから立ち上がるには、坐骨から足首の方へ重心を移動する必要があるのです。
「どっこいしょ」の理由① 重心移動が中途半端
さて、立ち上がろうとする際に何も考えずに立ち上がろうとすると、坐骨から足首への重心移動が中途半端で行うことが多いようです。重心が足首の上に来る前の、かかと〜お尻付近で上に胴体を持ち上げようとすると、その中途半端な状態でバランスを保つことになります。そのため、太ももやお腹に必要以上の力を要します。
「どっこいしょ」の理由② 胴体を持ち上げようとする
また、立ち上がることを胴体を上に持ち上げる行為だと思うと、首や背中、腰が固まり、余計な力が入ってしまいます。
胴体が固まっていると、そこにつながる股関節の可動域が制限されるので、坐骨から足首への重心移動が行いにくくなります。
立ち上がるのは脚の仕事です。
座っているときは曲がっていた股関節や膝が伸びることによって、胴体は持ち上がります。
「どっこいしょ」の理由③ 重心移動と胴体の持ち上げが同時
さらに、重心移動と胴体を上に上げる(あるいは股関節や膝が伸びる)という複数の動作をごっちゃに考えていることも理由の一つと思われます。
複数の動作を順序立てずに同時に行うことによって、背中や腰、お腹、太ももを力ませて固めたまま、無理やり胴体を持ち上げるた結果が「どっこいしょ」となるわけです。
無理なく立ち上がるには動作を順序立てて行う
イスから立ち上がるために必要な手順は、
- 座面の坐骨から足首の方へ重心が移動する
- 膝が伸びる
- 股関節が動いて胴体が起きる
です。
「重心が足首の上に移り、それから膝が伸び、股関節も動く」と思いながら立ち上がってみてください。
そうすると、然るべきときに必要な分だけ脚が働いてくれます。
背中や腰、お腹、太ももに余計な負担をかけることが減ることでしょう。
おわりに
立ち上がるという当たり前の行為にも複数の動作の行程があり、それぞれの行程には身体の構造に基づいた理由があります。
力任せの「どっこいしょ」をやめたいのであれば、立ち上がるためにどんな動作が必要か、自分はそれ以外に余計なことをしていないかを振り返って観察するといいかもしれません。
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