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何も考えていないのにもう緊張しているかもしれない

Thinking Body

ハスヨガマガジンの「ヨガ中の緊張と弛緩の効果を最大限発揮させるために必要な、たった1つのこと」では、私たちの身体は緊張状態に慣れてしまっているとお話しました。この記事では、緊張状態に慣れている、緊張を解くとはどういうことなのかを解説します。

緊張とはどういう状態か

ヨガインストラクターになって初めてのクラスで生徒さんの前に立ったとき、生徒さんから思いも寄らぬ質問を受けたときなどに緊張するのは、誰もが経験することです。
そんなとき、私たちはドキドキといった精神的な高ぶりを指していることが多いのですが、肉体的には何が起こっていると思いますか?

ほぼ確実に、頭を胴体の方に引っ込めて、脊椎を動きにくい状態にしているのです。
脊椎は身体の軸ともいえる骨格ですから、脊椎が固まって動けないと腕も脚も動きにくくなり、最終的に全身が本来の可動性を失ってしまいます。

緊張した状態がもはや日常的

では、頭を胴体に引っ込めてしまうということを、私たちはどのくらいの頻度で行っているのでしょう?
答えは起きているときは常にといっても、過言ではないくらい行っています。
ヨガのレッスンで大勢の生徒さんの前に立つといった特別なことでなくても、この記事を読んでいるこの瞬間でさえも。
文章を読もうとして、パソコンのモニターやスマホの画面に食い入るような姿勢をしていませんか?
スマホを持つ手や腕に妙に力が入っていませんか?
そういった動作も、実は全てが緊張しながら行われています。

力を抜こうと思っても緊張は解けない

緊張していると気付いたら力を抜けばいいのでしょうが、「力を抜こう」と思うだけでは緊張を解くことはできません。
「力を抜いた」と思っても、それまで力を入れていたのとは反対の方向に無理やり持っていっているだけのこともあり得ます。
筋肉がダラッとした状態が緊張が解けたというわけではないのです。
筋肉がダラッとした状態を維持しようとしているうちに、また疲れてしまうということになりかねません。

程よく張りのある状態が一番動きやすい

緊張していない状態とは、上にも下にも余計な力が入っていない、でも程よく張りがある状態です。
プラスマイナス0といったところでしょうか。
筋肉がダラッとした状態を緊張が解けた状態と思い込んでいる人にとっては、まだ緊張が残っていると感じるかもしれません。

おわりに

私たちの脳は常に大量の情報を受け取って処理しています。
そして、肉体は脳から送られてくる指示に忠実です。
自分では何かを考えたつもりはなくても、無意識下で反応し、臨戦態勢を作っているのです。
緊張を解こうと躍起になるより、自分はどんなときに頭を胴体に引っ込めようとしているのかに意識を向けるところから始めませんか?

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