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ダウンドッグから片足を前に出すにはヨガマットを目で追いながら

Thinking Body

太陽礼拝でダウンドッグからアルダウッターナーサナに戻るときや片足を前に出してランジのポーズをとるとき、足を思うように前に出せないということはありませんか?
この記事では、ダウンドッグでよく注意される視線に着目して、スムーズに足を前に出す方法を提案します。

ダウンドッグから足を前に出すという動作

太陽礼拝などのヴィンヤサを行っていれば、ダウンドッグから片足を手と手の間に置くというのは、お馴染といっていいほど必ず行う動作ですよね。
でも、ダウンドッグで大きく後ろに引いていた足を、前に着いている手の方に持ってくるのはかなりハードです。

前に出す足を上げるには、腹筋を使って脚の付け根をしっかり引き込むといった方法を筆者は習った覚えがあります。
そこで腹筋を中心とした体幹作りを心掛けたものですが、それでもうまくいかなくて、片足を一度着いてから位置を調整するということを繰り返していました。

頭と胴体が前にいくから足も一緒に前に出せる

うまくいかなかった当時、筆者に足りていなかったのは筋力ではなく、「頭と胴体が動いて、足も一緒に前に出す」という思考でした。
足を前に出すということは、足がつながっている胴体も頭も前に向って移動しています。
ところが、「足を前に出す」とだけ思っていると脳は肉体に対して、頭や胴体などの他の部分をおいてけぼりにして、足だけを動かすように指令を出すのです。
だから、身体の全てのパーツが連動することを意識するのが重要になります。

身体の全てを連動させるポイントは視線

視線を使うというのは、身体の全てのパーツを連動させながら動かすのに効果的な方法です。

そもそもダウンドッグをキープしているときに、視線の先を両足の間やおへその辺りに定めるように言われますよね。
これは視点を一カ所に集中させることによって、他に取られやすい気を自分に傾けるためと言われています。

また、見えているモノを認識することで、無意識のうちに入ってしまう余計な力を解くという意味もあります。
ダウンドッグをしながら、自分の足の様子や足の間の奥に見えるモノなどをぼんやり観察してみてください。
お尻や背中などに、必要以上に力を入れていたことに気付くかもしれません。

「手と手の間を見て」と言われたら

ダウンドッグをしばらくキープした後は「手と手の間を見て、そこに片足を置く」といったことを言われることが多いです。
でも、足の間から手の間に視点を急に切り替えると、それだけで首や背中に余計な力が入ります。

そこで、丁寧に、見えているモノを線でつなぐようにして、そこに身体も合わせて動いてくれることを許しましょう。
「足が見えているな」「マットが見えているな」「まだマットが続いているな」「あ、手が見えてきた」というように見えるモノを認識しながら動けば、自然と身体の全てのパーツが連動してくれます。

おわりに

私たちは時々、見るという行為を誤解することがあるようです。
しっかり見なければと注視をして周りが見えていないとか、見ているつもりで考えに集中して見えていなかったとか。
でも、「○○が見えるな」と目に映っているモノを認識できればそれで充分です。
それを途切れさせずに、見えるモノを線でつないでいくと、余計な力から解き放たれたニュートラルな状態で身体を動かせるでしょう。

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