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陰ヨガで自分なりのポーズのバリエーションを見つける方法

Thinking Body

前の記事「陰ヨガのポーズを考える|ハーフバタフライ3 ポーズのバリエーション」でハーフバタフライとハーフフロッグについて紹介した通り、陰ヨガではひとつのポーズに対して多様なバリエーションが存在します。
ポーズを心地よくキープするには、バリエーションの中からその時の自分に最適な状態を探すことがポイントですが、慣れていないと難しいもの。
そこで今回は、たくさん考えられるバリエーションから自分なりのポジションを探す方法について考えます。

陰ヨガのクラスの進め方

陰ヨガはひとつのポーズを3分や5分と長めにキープすることはよく知られています。
しかしながら、その過程でポーズに対する様々なバリエーションを試して、自分にとってそのとき一番心地よいと思えるポジションを探すということはあまり知られていません。

片脚前屈のハーフバタフライを例にとってみましょう。
片脚を伸ばして、もう一方の脚を合蹠にしますが、それだけでも次のようなバリエーションが考えられます。

合蹠にして伸ばした脚の内側にもってきた足を恥骨に近づけるか、遠ざけるか
合蹠で外に向けた膝を床に近づけるか、ブロックを使って高さを作るか
伸ばしている脚は膝を伸ばすか、曲げるか
つま先を天井に向けるか、寝かせるか
つま先を寝かせるなら内側か、外側か
前屈した上半身を時計の針のように内側に移動してみる、外側に移動してみる
前屈した上半身にねじりを加える

さらに合蹠の脚を横座りにした、ハーフフロッグというポーズの方がいいという人もいます。
このようにちょっとした差で「その人にとって心地よいストレッチ」が変わってくるため、時間をかけて様々なバリエーションを試し、自分なりのポーズとポジションを探す必要があります。

バリエーションを試しているときに身体に起こること

陰ヨガに慣れてくると、「ジワジワとストレッチするにはこれくらい緩めがいい」とか「膝の角度はこれくらい」というように心地よいポジションがわかって、うまく調整できるようになります。
でも、ヨガ初心者や他の流派のやり方に慣れていると、心地よいポジションを探すのに時間がかかるものです。

そうすると、意識はバリエーションを試すことに夢中になります。
そして身体の部分に集中して、そこを固めてしまうのです。
首や背中など、身体の一部に違和感を覚えたり痛かったりするのに無視してバリエーションを試し、ポーズを無理に深めようとすれば陰ヨガの恩寵を得られなくなるでしょう。

当初の目的を思い出して動くことに集中する

そんなときは、当初の目的であるターゲットエリアをどうしたいのかに戻るといいでしょう。
片脚前屈の場合は、伸ばしている脚の後ろ側全体(太ももからふくらはぎ、足首にかけて)を緩やかにストレッチすること。
それを実現する運動とは、股関節が屈曲することです。

そこで「股関節で骨盤が動いて、骨盤が太ももに向かって傾く」というように、身体がどう動くかだけを意識してみたらどうでしょう?

勝手に動くままに任せればそれがバリエーション

ひょっとしたら、骨盤が太ももに向かって傾くに従って、伸ばしている脚の膝が緩んだり、つま先が外側か内側に寝るかもしれません。
さらに骨盤が動くことを意識してみたら、なぜか上半身をねじりたくなるかもしれません。
骨盤が太ももに向かって傾くことによって連動して動かしたくなった結果、それがあなたのバリエーションなのだといえます。

おわりに

陰ヨガはポーズのバリエーションを提案することによって、たくさんの選択肢があることが魅力です。
でも、バリエーションでさえも形としてとらえてしまうと、本能的にその形を再現しようとして、ターゲットエリアをストレッチするという本来の目的からずれてしまうことがあります。
一旦、バリエーションという概念を忘れて、身体がどう動きたいと言っているのかに耳を傾けるのもいいのではないでしょうか。

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