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どうして私たちは良い姿勢をずっとキープしていられないのか?

Thinking Body

ハスヨガマガジンの「ヨガの練習中以外でも。「正しい姿勢」の思い込みをリセット!【動きのしくみがわかる解動学入門】」では、良い姿勢をしようとして背中をまっすぐにすることにばかりを意識すると、それが身体を緊張させることになると紹介しました。
そもそもなぜ背中をまっすぐにすることに固執するのでしょう?
私たちの中にある思い込みと、それによる動作の影響について考えてみたいと思います。

良い姿勢はずっとは続けられない

私たちは良い姿勢に一種の憧れがあるようです。
スタイルが良く見える、健康に良いなど、それぞれの理由があるのでしょう。
そこで感じるのは、逆に自分は良い姿勢をしていないという思い込みです。
そんな自分を戒めようと、良い姿勢を心掛けるようになります。

でも、起きている間ずっと、良い姿勢であり続けたことはあるでしょうか?
多くの人がずっと続けることは難しいと思っているのでは?

良い姿勢と合わせて連想されてしまう「気をつけ」

姿勢を正すために、思わず行ってしまうことのひとつに「気をつけ」があります。
日本では子供の頃から「気をつけ」をやらされているので、良い姿勢=「気をつけ」という刷り込みがある人は多いと思います。

「気をつけ」では、背中をまっすぐにしようと胸を張ります。
頭を脊椎の方に引っ込めて身体を緊張させることになり、呼吸がしづらい上、肩や腰などに余計な負担を掛けてしまいます。

「気をつけ」と「休め」のセット

また、「気をつけ」と合わせて出される指示に「休め」があります。
この2つがセットとなって指示されると、「気をつけ」のときに思い切り背中を緊張させ、「休め」ではその反対のことをしようとしてしまいます。
これを繰り返しているうちに、「気をつけ」は頑張っている良い状態、「休め」は無意識にゆだねている良くない状態という刷り込みができてしまうように思います。

猫背への抵抗

猫背も「休め」と似ているのかもしれません。
背中が丸いということは良くないというイメージがついてしまっているのかも。

解剖学的には背中は丸くなるような構造をしています。
脊椎はS字カーブをしていますから、背中に丸みがあるのは当然のこと。
猫背というのは背中(胸椎)だけではなく、首(頸椎)や腰(腰椎)のカーブも歪んで、肩や股関節なども、本来の構造に合っていない状態なのだと思います。
それなのに、背中ばかりをまっすぐにしようとすれば、やはり首、肩、腰に負担が掛かるのは当然です。

おわりに

学校で教わったことや長年言われ続けてきたことが、あなたの良い姿勢の邪魔になっていることがあります。
それらの中には身体の構造という、私たちが持っているものを無視して強制するものもあるからです。
良い姿勢をしようと意気込むあまり、身体の構造を無視したことが良い姿勢を続けられない原因かもしれませんね。
良い姿勢を心掛ける前に、良い姿勢について自分がどう考えているのか、良い姿勢について考えると身体が何をしようとしているのかに目を向けてみるはいかがでしょうか?

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