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コブラのポーズの後屈のポイント①|視線を使って上体を上げる

Thinking Body

背中を反らせるコブラのポーズ(ブジャンガーサナ)を行っていると、首や腰が痛くなるということがあります。
そこでこの記事では、どうすれば首や腰に負担をかけずに、うつぶせから上体を反らすことができるのかについて考察します。

様々な場面で行われるコブラのポーズ

コブラのポーズはシンプルながら背筋を適度に刺激できるので、ヨガのクラスでは頻出度が高いポーズです。
太陽礼拝の一環として、パワーが重視されるアップドッグの代わりに取り入れられることもありますね。
筆者も膠原病による手首の関節炎があるため、太陽礼拝ではアップドッグを控えて、うつぶせからコブラのポーズをするようにしています。

コブラのポーズでどうやって後屈している?

ところで、皆さんはうつぶせから上体を反らせるところまでをどのように考えているでしょうか?
筆者は長年、ポーズが完成した状態を思い浮かべて、「その高さまで上体を持ち上げる」と考えていました。
このときに頭の中にあったのはうつぶせの場面とポーズの完成の場面だけで、その途中を重要とは考えていなかったと思います。
そんな中で上体を持ち上げて胸を広げることだけに苦心していたことにより、首や腰に違和感を覚えていました。

コブラのポーズで後屈をスムーズに行うには頭から動き始める

うつぶせからの後屈は、頭から動き始めるとスムーズにできます。
解剖学的に解説するなら、頭蓋骨と第1頸椎のつなぎ目である環椎後頭関節から、頸椎の一番上、その次と順番に伸展していくと上体が持ち上がって、後屈ができるのです。

ただ、私たちは日常的に環椎後頭関節付近の筋肉を固めて動かないようにしていることが多いため、頭から動き始めるのというのがほとんどできていません。

環椎後頭関節で頭から動き始めるための方法

そこで視線を使うことをおすすめします。

うつぶせになって、まず見えているモノ(ヨガマット)を認識します。
「あ、ヨガマットだ」「マットの表面ってこんな風に見えるんだ」という程度でいいので、ぼんやりと眺めてみましょう。

そこから見えているモノを少しずつ上にずらしていきます。
しばらくはヨガマットの表面が続きますね。その後、マットの縁に辿り着きます。
さらに見えているモノを追っていくとマットの先にある床や壁、そして天井というように、目に入るモノが変化することでしょう。
その変化を楽しみながら、ひたすら見えているモノを辿ってください。
身体はそれに伴って動くことを許すだけです。これで、頭から首、胸、腰と順番に動いて後屈してくれます。

おわりに

私たちはひとつのところを注視して、視点を切り替えるということは得意ですが、視点と視点の間は意識から外れがちです。
そんなときは環椎後頭関節付近の筋肉を固めています。
でも、見えるモノを辿って視点を線でつなぐと、視界が広がるので、筋肉が固まるのを防ぐことができます。
そうして環椎後頭関節で頭から動き始めると、体幹を支えるインナーマッスルが“必要なとき”に“必要なだけ”働きます。
それは“必要以上”に働いて、首や腰に負担をかけることがないということなのです。

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