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コブラのポーズの後屈のポイント②|上体を上げる直前の首に注意

Thinking Body

コブラのポーズ(ブジャンガーサナ)では首や腰に負担をかけがちです。
視線を使うことで無理なく後屈することできますが、それにはちょっとした身体の準備が必要です。
この記事では、うつぶせから後屈をしようとする際によくある身体の反応について考察します。

コブラのポーズは視線を使って後屈するとスムーズ

コブラのポーズでは、ただ上体を持ち上げようとか胸を広げようなどと思って後屈するのは、あまり身体に優しいとはいえません。
背筋のアウターマッスルばかりに頼ってしまって、どうしても首や腰に負担が掛かってしまいます。

そこで、上体を上げようと考えるのをやめて、見えているモノを辿るように視点を移動させ続けるという方法をおすすめします。
見えているモノに意識を傾けて視線を動かしていくと、それに従って頭、首、胸、腰と順番に身体も動いて後屈できます。
このとき、頭蓋骨と頸椎1番のつなぎ目である環椎後頭関節から動きが始まっています。
頸椎の上から順番に動き、7個ある頸椎の全てで伸展運動が起きるのです。
そして、インナーマッスルが必要に応じた働きをして、アウターマッスルに無理をさせてはいません。

うつぶせは首に力が入りやすい

しかしながら、うつぶせという体勢そのものが首に力が入りやすいものでもあります。
コブラのポーズをするためにうつぶせになると、顔がヨガマットに近づくため、わずかながらも頭を後ろに引いて、首を詰まらせてはいませんか?
そうなると、環椎後頭関節付近の筋肉は既に固まっており、環椎後頭関節で頭を動かすという微細な動作ができません。
環椎後頭関節で頭が動き始め、そこから頸椎、胸椎、腰椎と動きが伝わっていくことを阻害してしまうのです。

首に力が入ったまま視線で辿ると

首に力が入ったまま視線でも見ているモノを辿ることは可能でしょう。
でも、そのときに動いているのは首の下の方だけなので、7個の頸椎全てが仕事をしているわけではありません。
首の下の方にばかりが働き、見上げる範囲に制限がかかります。
そして、本来ならその時点ではまだ出番ではないはずの部分である、肩や腰などで補うことになります。
コブラのポーズで首や腰が痛くなる原因の背景には、このような無理にあるのです。

首に力が入ると肩も詰まる

また、首に力が入った状態は、肩甲骨を背中の方に引き寄せやすいことにもなります。
それで「手を胸の横に着いて、脇を閉める」というアライメントに従うと、どうしても肩甲骨は挙上・内転気味になります。いわゆる肩が詰まっている状態です。

加えて「首が詰まらないように肩を引き下げる」と言われることがあります。
でも首に力が入って、肩甲骨が挙上・内転しているところから、肩甲骨を下制することだけをしても、今度は背中や腰に余計な力を入れることになります。

おわりに

コブラのポーズをするためにうつぶせになると、まず目に入るのはヨガマットだと思います。
しかも間近すぎて、焦点が合わないことでしょう。
無理に焦点を合わそうとすると、頭を後ろに引いて首を詰まらせることになるので、ぼんやりヨガマットが見えているという程度で充分。
そうすれば、視界が開けて、首も自由になることでしょう。

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