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シャバーサナで腕は伸ばすか?手をお腹の上に置くか?

Body Mapping

ハスヨガマガジンの「シャバーサナの時に力が抜けない!効果的なシャバーサナの仕方【解動学入門】」では、シャバーサナで肩の緊張がとれないときは、手をお腹に置くという提案をしました。 この記事では、手を床に置いて伸ばしたとき身体に何が起こっているのかを解剖学的に考察し、肩の緊張が抜けないメカニズムやお腹に手を置くことの有効性を詳しく紹介します。

一般的なシャバーサナの誘導を解剖学的に考える

「仰向けになったら脇を軽く空けて、足は腰幅程度に開く」
言葉の表現は様々ありますが、このようなアライメントになるような誘導がシャバーサナとしては一般的だと思います。
これは解剖学的正位置に近いといえるでしょう。
解剖学的正位置をベースとして、手足が自分の内から外の方に広がっていくとこのようなアライメントです。
だから、両手両脚をマットに投げ出して伸ばした仰向け状態は、解剖学的に気持ちのいいものだと思います。

私たちは身体を引っ込めるように使っている

ところで私たちにはたくさんの関節があり、曲げたり伸ばしたり回したりして身体を動かしています。
ただ残念なことに、ただ曲げ伸ばしをするというより、身体の部位を自分の内側に引っ込めるようにしながら行う習慣がいつの間にかついてしまっているのです。
例えば、コップから水を飲もうとしたときに、コップを持つ手や腕に余計な力が入ってはいませんか?
そういうときはたいてい、腕や手を自分の内の方へ引っ込めながらコップを持っていることが多いのです。

引っ込めるのをやめたいが、難しい

また仰向けになると、背中やお尻などの身体の背面が床と密着するため、身体の後ろ半分の動きが制限されがちです。
「良い姿勢」を意識して寝ようとすると、左右の肩甲骨が背中で寄せ気味になって、そのまま床の上でロックされてしまいます。
その上、「背中をもっと床につけよう」などと思えば、肩の先だけを動かして床に近づけようとし、それが余計に背中を緊張させることになります。

「手をお腹に置く」で強制的に背中の緊張をほどく

そこで「手をお腹の上に置く」という誘導の出番。
手を床に伸ばした状態からお腹に置くと、肩甲上腕関節で内旋が起こり、肘の位置が少し外の方へずれます。
寄せ気味だった肩甲骨も強制的に広がって、背中が床につく範囲がイヤでも広がるのです。
そうすると、背中の緊張がやわらぎます。

おわりに

仰向けは見た目として簡単にリラックスが得られそうな体勢なので、無意識でやっていると思います。
でも、無意識に緊張しながら寝転がっていては逆効果のことがあります。
「シャバーサナなのに力が抜けない」と思い当たる人は、仰向けになるまでに、引っ込めながら身体を使っていないか、必要以上に力みながら寝転がっていないか、自分の動作を観察してみてはいかがでしょうか。

↓元ネタのハスヨガマガジンの記事↓

https://www.hasyoga.net/magazine/yoga-base-lab-shavasana/

↓身体を引っ込めないシャバーサナができる陰ヨガを体験↓

https://www.hasyoga.net/yogaclasses/small/breathingyoga/

↓解動学(解剖学+動作の分析)を学ぶ↓

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