ヨガジャーナルオンラインで【体の「負」にまつわる思い込みシリーズ】を連載中! これまでの記事はこちらからご覧いただけます

陰ヨガのポーズを考える|バタフライ③せすじを刺激するためのやり方

Body Mapping

陰ヨガの代表的なポーズ、バタフライを解剖学的に考察するシリーズ第3弾。
バタフライを行っているとき、脚ばかりが注目されがちで、上体は無意識に倒していることが多いようです。
では上体では何が起こっているのでしょう?
この記事では、上体の軸である脊椎にフォーカスして考えてみたいと思います。

バタフライポーズのもうひとつのターゲットエリア

バタフライのターゲットエリア(アプローチするべき目的の場所)というと、まず最初に挙げられるのが太ももの内側です。
そして上体を前に倒している場合、もうひとつのターゲットエリアとなるのが上体、頭から尾骨までの脊椎そのものになります。
S字カーブを描いている脊椎を緩やかに屈曲させることによって、脊椎全体を程よくストレッチし、自律神経に刺激を与えます。

脊椎全体をストレッチする条件

さて、この「上体を前に倒す」という動作ですが、骨盤を前傾させて股関節から屈曲する、いわゆる前屈とは多少異なります。
骨盤を前傾からの前屈では脚のストレッチの方が強くなります。

骨盤を後傾させると、それに伴って脊椎全体で緩やかなC字カーブを作ります。
そうすると、特に縮こまって固まりやすい腰や背中(腰椎と胸椎)などがストレッチできます。

人によっては長座の方がいい場合もある

床に腰を下ろして坐骨を着けた状態でバタフライの脚の形にすると、股関節で起こる外転と外旋に引っ張られて、少しだけ伸展しやすくなります。
だから、バタフライでは骨盤が後傾しやすく、両脚を前に揃えて伸ばした長座では前傾しやすいという人が多いようです。

ところが人によってはその逆で、バタフライでは骨盤が前傾しやすく、長座では後傾しやすいということもあります。
そこには持って生まれた骨の固有差などが絡んでいるようです。
そのようなときはバタフライの代わりに長座で脊椎をストレッチするというバリエーションを試してみましょう。

おわりに

脊椎は身体を支える大切な柱で、日常生活では姿勢を保とうとして固めやすいところです。
さらに脊椎の中にはたくさんの神経が通っており、脊椎の周囲の筋肉が固まることによってリラックスできない状況を作り出していることもあります。
バタフライのポーズは脊椎全体を意識的にストレッチすることができるので、リフレッシュのために試してみてはいかがでしょうか。

タイトルとURLをコピーしました