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陰ヨガは全身が伸びながらポーズをキープする

Body Mapping

本サイトの前の記事で、エキセントリック収縮なエクササイズとしてのヨガという提案をしました
そのときにファシアという概念も簡単に紹介しました。
この記事ではファシアの存在と、そこから考えられる陰ヨガの可能性について考えてみたいと思います。

ファシアとは

ファシアは日本語では筋膜と訳されることがほとんどです。
ただ、日本語の筋膜が示す定義は曖昧で、ファシア=筋膜とは正確には言えません。
世界的にもそれほど研究が進んでいるとはいえず、公式的な定義はまだまだ改定中のようです。

ファシアの構造

おおまかな構造としては、筋肉の上に深い層のファシアがあり、その上に深い層の脂肪、またその上に浅い層のファシア、さらに上に浅い層の脂肪、皮膚というように重なっています。
浅い層と深い層それぞれのファシアは脂肪の層の中に走っている支帯と呼ばれるものでつながっているので、各層が別個に動くのではなく、連動して動きます。

筋肉も腱も靭帯もファシアとつながっている

筋肉は骨と骨をつないで動かす役割がありますが、より正確に言えば、筋肉の両端に腱があって、腱が筋肉と骨をつないでいます。
そして、骨と骨をつなぐクッションとして靭帯があります。
そして驚くことに、筋肉の起始や停止は骨だけではなく、ファシアにつながっているところがあることまでわかっています。

このように、筋肉(と腱と靭帯)とファシアの層はきっちりと分けられて動いているのではないことがわかります。
筋肉が動けばファシアも動く、ファシアが動けば筋肉も動くのです。

筋肉よりもファシアが動作を担っていることもある

さて、筋肉の起始や停止がファシアにつながっていることからもわかるように、ファシアが直接的に動作を担っていることがあります。
解剖の動画などでは、献体のファシアを引っ張ると連動して筋肉も動いているところを確認できるので、動作に使われるのは筋肉だけではないというのは確かなのでしょう。

陰ヨガで起こり得る効果

陰ヨガに効果的な例を挙げてみましょう。
上半身の深い層のファシアは背骨を境にして左右にあります。
そして腰の辺りで交差するように、上半身左側は右脚のファシアに、右側は左脚のファシアにつながっています。

ハーフバタフライなどの片脚前屈をしているときに、上半身にねじりを加えるともっと気持ちいいということがありますよね。
まさに、上半身と脚のファシアが連動しているからこそ得られる体験なのだと思います。

ファシアを思えば陰ヨガのボーナスをもっともらえる

陰ヨガは、ハーフバタフライなら伸ばした脚の裏側全体など、ターゲットエリアが明確になっていて、そこにアプローチするようにポーズをとります。
時には、ポーズをキープしているうちに他のところも伸びてくることもあり、それはボーナスであると説明されます。
ファシアのことを考えて、全身が伸びると思いながらポーズをすれば、そのボーナスをもっと効果的に得られると思います。

おわりに

ヨガに限らず、どのようなエクササイズでも、鍛えたい部分やストレッチしたい部分にフォーカスしがちです。
でも、フォーカスしたい部分にアプローチするために、全身を考えるということはあまりしていません。
ファシアという新しい分野の考え方が、全身としてのエクササイズに役立つのではと期待しています。

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↓元ネタのハスヨガマガジンの記事↓

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https://www.hasyoga.net/yogaclasses/small/breathingyoga/

↓解動学(解剖学+動作の分析)を学ぶ↓

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