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ラクダのポーズで後屈するとき、首のことを忘れがちだから痛くなる

Thinking Body

YOGA BASE LABのブログ「首が痛くならないラクダのポーズの効果的なやり方とは?」で、後屈の際の首と腰への負担を防ぐ方法として、「動きの先端は頭頂から始まっていると思う」というものを紹介しました。
頭を意識することが動作にどのような影響を与えるのでしょう?
この記事では特に脊椎の後屈という視点から、頭と脊椎の関係を考察します。

動作には順番がある

どのような動作にも効率的、あるいは効果的に動ける順番があります。
ラクダのポーズのように脊椎を後ろに反らす後屈の場合、脊椎の先端に位置する頭から始まり、頸椎→胸椎(※)→腰椎→股関節と順番に連動することで、本来の可動域が活かされるようになっています。
特に脊椎は椎骨という小さな骨の積み重なりですから、その一つひとつが上から順番に動いてくれると、効率性や効果は顕著になります。
※胸椎では伸展運動そのものはできないのですが、頭と首に連れられて移動するという意味で動きます。

首は無意識に固めやすい

ところが、私たちは緊張や気負いといったストレスを感じると、先端である頭を胴体の方に引っ込めるようにできているようです。
そうすると、まず頭を支えている首の筋肉が固まって、脊椎を上から順番に動かすことの妨げとなります。

ラクダのポーズで首に負担を掛ける経緯

例えばラクダのポーズをするとき、「胸を広げよう」「体幹をしっかりさせなきゃ」といった思いがあるとします。
その思いは、脊椎は上から順番に動くというルールを無視して、意識を頭から胸や腹部の方に奪います。
同時に、頭を胴体の方に引っ込めさせ、首を固めるのです。
その状態で体幹を保ったまま胸を広げようとすれば、腰や肩が先に動いて、首は固まったままバランスを保とうと頑張るしかなくなります。

目的(効果)に向かって一直線の思いが順番を狂わせる

そこには「胸を広げる」「体幹を鍛える」といった、ラクダのポーズの目的(効果)を得たいという一足飛びの思いが関係しています。
目的に一直線過ぎて、動作の順番がおかしくなってしまうのです。
そして、「胸が広がっているけれど、首が痛い」といった問題に発展します。

だからこそ、敢えてポーズを行う前に「動きの先端は頭頂から始まっている」と思うことで、意識を動作の順番の1番目に戻し、狂った順番を整理することをおすすめします。

おわりに

ヨガのポーズには目的(効果)があり、それを求めるのは当然です。
しかしながら、目的(効果)とは、動作の順番に応じた結果として現れるもの。
動作の順番という経過をおろそかにすれば、それに準じた結果にしかなりません。
より高い質の目的(効果)を求めるなら、経過である動作の順番を考えてみてはいかがでしょうか?

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