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太陽礼拝で頭を意識すると呼吸も整う

Thinking Body

ハスヨガマガジンの「太陽礼拝の効果を上げるコツ・パワー系ヨガの基本【動きのしくみがわかる解動学入門】」の中で、ヴィンヤサの動きでは呼吸が大切だが、頭に意識を向けることで呼吸が楽にできるというようなことに触れられていました。そこでこの記事では、呼吸と身体の使い方という視点で太陽礼拝について考察します。

太陽礼拝は程よい全身運動

太陽礼拝は全身を使ったダイナミックな動きが特徴です。
タダーサナで全身を整えるところから始まって、ウルドゥバハスターサナで両手を挙げて全身を伸ばし、ウッタナーサナで前屈、プランクポーズやダウンドッグでは体幹を鍛え、頭を上下することで自律神経も調整できる…というように、全身に様々なアプローチができます。

初心者のときに太陽礼拝でありがちなこと

しかしながらヨガ初心者の中には、一連の工程でのポーズ数が多いため、その順番を覚えるのが大変という人が多いでしょう。
また、プランクポーズからアップドッグ、ダウンドッグなど日常ではあまりない激しい流れが含まれるので、ついていくだけでもいっぱいいっぱいということもあると思います。

アライメントなどの注意点に目が向きすぎてしまう

加えて、それぞれのポーズにはアライメントなどの注意すべきことがたくさんあります。
タダーサナの足の位置や姿勢の正し方、ウルドゥバハスターサナからウッタナーサナにいくときはお腹が落ちないように背中をまっすぐにして股関節から前屈、など。

呼吸を意識しすぎてしまう

そんな中で「呼吸と連動させて」と言われると、呼吸をポーズに無理やり合わせようという意識が生まれることがあります。
タダーサナからウルドゥバハスターサナにいくときは大きく息を吸おう、そこからウッタナーサナにいくときは息を吐こう、でもお腹を引き締めて背中はまっすぐにして前屈、というように。

呼吸を連動させようという意欲が緊張になる

呼吸をポーズに合わせようと意識しすぎると、思わず頭を胴体の方へ引っ込めるという緊張状態を誰もが作ってしまいます。
「よし、やるぞ」という意欲が、いつの間にか身体の余計なところに力を入れているのです。
そして、身体に力を入れた状態でポーズをとり、次のポーズのことを考え、さらに呼吸を合わせようという悪循環になります。

太陽礼拝は様々なレッスンで導入されていますし、反復の回数も多いですから、悪循環が習慣化になっていることもあるかもしれません。

頭に意識を向けて呼吸を忘れてみる

頭に意識を向けるとは、頭を胴体の方に引っ込めた緊張状態を解放するための一つの手段です。
身体の軸である、頭と胴体の緊張が解放されていれば、正しい姿勢や足の向きといったアライメントは、身体の構造に沿ってなるようになってくれます。

一方で、常に頭を意識し続けることで、アライメントや呼吸などへ意識を外すことができるというメリットもあります。

おわりに

太陽礼拝はヨガの代表的なシークエンスなので、流れるように行う姿に憧れる人が多いと思います。
それ故にレッスンで言われる様々な注意事すべてをこなそうと、意気込む気持ちもわかります。
でも、身体の余計なところに力を入れていては、本来のパフォーマンスを活かすことができません。
そこで、頭に意識を向けることだけをしてみてください。
緊張から解放された身体でポーズを行えば、アライメントも呼吸も、結果として自然についてきてくれるでしょう。

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