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あなたの「脱力」は脱力ではないかもしれない!?

Thinking Body

ハスヨガマガジンの「シャバーサナの効果的な誘導とは?《ヨガインストラクター向け》」で、脱力とは筋肉が必要以上に緊張していないこと、骨が本来の位置に戻ることとお話しました。
この記事では、一般的に考えられている「脱力」と、身体にとって望ましい「脱力」との違いについて考えていきます。

私たちの身体は無意識に緊張している

私たちは日常的に緊張していることが習慣となっています。
緊張の状態として自覚しやすいのは、肩が上がって窮屈だとか、背中が引きつるように強ばっているだとか、主に胴体周りで起こっていることが多いと思います。
そして、緊張をほどこうと無理やり肩を回したり、肩を下げるようにしたりして「脱力」するのです。

一般的な「脱力」に共通すること

これらの行為に共通しているのは、下に下がる、あるいは下げようという意思があることです。
緊張という概念に、重力に抗って上へ上がろうとするというイメージがあるからかもしれません。
「脱力」するためにはその反対のことをしようと、無意識に身体が動いているのです。
そこにあるのは上下という、一つの方向性だけです。

緊張で身体が実際にやっていること

ところが、骨格やそこに付着する筋肉で考えると、緊張しているとき筋肉は縮んでいます。
筋肉が縮むと身体の先端にあるもの(脊椎なら頭、腕なら肘や手、脚なら膝や足など)を内の方へ引っ込めた状態となります。
そこには上下だけではなく、前後や左右の方向性も存在します。
ですから、緊張とは逆のことをしたいと思うなら、上下に加えて、前後や左右にも「広がる」という意識が必要となるでしょう。

「広がる」と解剖学的正位置になる

「広がる」を突き詰めていくと、骨格としては解剖学的正位置に近いものとなります。
脊椎は緩やかなカーブを描いて頭を支え、腕は鎖骨の延長上に連なるのです。

シャバーサナでは両脇を空けるとか足と足は腰幅程度に開くといったことを言われますね。
広がっていけば、解剖学的正位置として自然にそれらはなるがままになされます。

おわりに

「脱力」「力を抜く」といった言葉には、世間でのイメージや過去の体験などと相まって、「こうすることが正しい」と固定概念化しているものがあります。
もし、それをやり続けて疲れを感じるようになったら、固定概念を壊す時期にきているというメッセージなのでしょう。
「脱力」で実際に何をしているのか、観察してみるいい機会だと思います。

↓元ネタのハスヨガマガジンの記事↓

https://www.hasyoga.net/magazine/yoga-base-lab-shavasana-instructor/

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https://www.hasyoga.net/yogaclasses/small/breathingyoga/

↓解動学(解剖学+動作の分析)を学ぶ↓

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