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テーブルポジションについて考える③胴体を縮めなければ正しいアライメントになる

Thinking Body

ヨガの基本的なポーズのひとつ、テーブルポジションのアライメント「肩の下に手首」について考察します。
どうして、そのようなアライメントを注意されるのでしょうか?
そして、どうすればスムーズに「肩の下に手首」を行えるのでしょうか?

「肩の下に手首」が重要な理由

何も考えずに手を床に着き、四つん這いの体勢をとると、多くの場合、手の位置は肩幅よりも狭かったり、肩よりも手前や少し遠くにあったりします。

肩幅より狭かったり、肩よりも手前だと、バランスの土台となる支持基底面の面積が上体(頭からお尻まで)よりも小さくなります。
支持基底面が小さいと、安定して体勢を保つことが難しくなり、それを腕で補おうとして、手首に負担が掛かります。

逆に肩幅より広かったり、肩よりも遠い位置だと、支持基底面の面積が上体よりも広がって安定度は増します。
しかし、上体を動かしにくくもなっているので、その体勢で上体を動かそうとすれば、それはそれで手首に負担が掛かります。

無意識だと「肩の下に手首」にならない

私たちは皆、多かれ少なかれ、頭を胴体に引っ込めて上体を短くしたまま、身体を動かすということをしています。
それは、動物が生きていく上での本能的な防御反応です。
人間の場合は、様々な要因から、この防御反応が必要ではないときでも作動しているのです。

上体が短いまま日常を過ごし、ヨガをしているときでも上体が短いままでポーズを行っています。
そうすると、首や背中などの胴体だけではなく、そこにつながる肩や腕にも余計な力が入ります。

「肩の下に手首」以外の位置になってしまうのは、短いままの上体に合わせて、肩や腕にも余計な力が入ってしまったからだと考えられます。

上体が長いままなら「肩の下に手首」になる

頭を胴体へ引っ込めるのをやめて、上体が長いままでいられるということは、その体勢に必要な筋肉が必要なときに必要なだけ使われているということです。
そして、上体を長いままに動かし、重力に従って腕を下ろしていれば、手は然るべきところに勝手に着いてくれます。
その結果が「肩の下に手首」というアライメントです。

上体を縮めずに四つん這いになるには

それでは、上体を長いままであり続けるにはどうしたらいいのでしょう?
それは、上体の先端である頭やお尻の存在を意識することです。

例えば、
頭という存在に頭頂部まで含めてイメージする
お尻という存在に尾骨や座骨までを含めてイメージする

そうすると、自分の上体が思っていたよりも長いということに気付けることでしょう。

おわりに

私たちは無意識のうちに、頭を胴体に引っ込めて、上体を縮めています。
それに気付かないまま、実際の上体よりも短いものと思い込んで身体を動かしています。
脳はそれほどに素直で、事実と異なっていても、自分が思っていることをそのまま肉体で再現しようとするのです。
ならば、自分の上体はもっと長いと敢えて意識することで、身についた習慣的な動きを変えることだってできるのです。

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