陰ヨガでポーズを長時間キープするのは辛いという声を耳にすることがあります。
また、ハスヨガマガジンの「ヨガの中でいちばん運動量が少ないのは陰ヨガ?リストラティブヨガ?【使える解剖学】」では、ポーズのとり始めや深まったときに身体の部分が局所的に痛いと感じたら注意が必要とも紹介しました。
そこで、「ポーズをキープする」について考察したいと思います。

陰ヨガは動かないでゆだねるもの
陰ヨガではターゲットエリア(どこを伸ばすかなど)に効くポジションを探し、自分なりのその日のポジションが見つかったら、その状態を何分もキープしてあまり動きません。
その状態にゆだねるように教わりますが、時間と共にキープするのが辛くなることがあります。
首や肩、股関節などが痛いとか重いなどと感じることさえありますね。
動かない=一時停止するもの?
そのようなとき、私たちは自分で自分の身体を緊張させて固めるということをしています。
「ポーズをしよう」「ポーズを維持しよう」という意欲が、必要以上に身体に力を入れることがあるからです。
また、「動かない=一時停止」という考えが、いつの間にか頭の中にでき上がっていることもあります。
「動かない」「動いちゃいけない」という思いが、だるまさんが転んだのように動きを止めようと無意識に働いてしまうのです。
そうすると、身体は余計に緊張します。
身体は常時動いている
でも、私たちの身体に動いていないときはありません。
生きている限り呼吸をしているので、肺が収まっている肋骨は必ず動いています。
肋骨が動けば、脊椎も頭も動きます。
脊椎は骨盤につながっているので、股関節も当然動いているのです。
日常的で非常に微細な動きですが、「動かない=停止」という考えがあると、その微細な動きさえも制限してしまうのです。
動きながらキープする
陰ヨガで動かないというのは、ターゲットエリアへのアプローチに時間をかけることによって、効果を深めるためです。
ですから、ターゲットエリアへのアプローチという流れの中で動きたいように動くというのはありです。
前屈で膝の裏の辺りが痛くなってきたら、ゆっくり膝を曲げる。
上半身も動きたくなったから、捻りを入れながら前屈を深める。
呼吸に合わせて前屈した上半身を揺らしてみる。
やり過ぎて感覚がわからなくなってきたから、前屈を緩める。
というように、「動きながらキープする」のもいいと思います。
おわりに
陰ヨガに限らず、キープする、維持するという状態を一時停止するものと思い込んでいることはよくあります。
その思い込みが、思いも寄らぬストレスとして身体に現れるものなのです。
ひとつの体勢を維持するのが大変だと感じたら、維持することを自分がどう定義付けしているのかを確認してみるといいのではないでしょうか?
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