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グラウンディングについて考える②足の骨の構造と動きの仕組み

Body Mapping

ヨガに限りませんが、グラウンディングの重要性が注目されています。
グラウンディングの準備として「足裏の3つのアーチを意識する」「足裏全体で体重を支える」「足の指をしっかり開く」など、色々な誘導の仕方がありますが、ポイントは床と身体の設置部分である足のようです。
そこで今回は、足の構造と動く仕組みを紹介します。

足は28個もの骨で構成されている

足はおおまかに分けて、7個の骨の集まりである足根骨、5本の長い骨の中足骨、14個の趾骨の3つの部分で構成されています。
※中足骨の親指のの先の足裏側には豆状の小さな骨が2個あり、合計で28個。

  • 足根骨
    脛のすぐ下にある距骨とかかとに当たる踵骨という2つの大きな骨と、5個の小さな骨の群によって構成されています。
    脛の骨(脛骨、腓骨)と距骨をつなぐくるぶしの関節(距腿関節)、距骨と踵骨をつなぐ関節(距骨下関節)、踵骨と5個の小さな骨の群をつなぐ関節(ショパール関節)があります。
  • 中足骨
    主に足の甲の辺りに当たる部分で、親指から小指の5本の長い骨です(+2個の豆状の骨)。
    それぞれの根元のところで足根骨の小さな骨群とつながって、関節(リスフラン関節)を成しています。
  • 趾骨
    足の指に当たる骨です。
    親指は2個、それ以外の指は3個の骨で構成されています。
    趾骨と中足骨をつなぐ関節(中足趾骨関節)や指の関節(趾骨間関節)があります。

足首の運動は複数の関節が担っている

足首というと脛と足がつながる1カ所だけのように思いがちですが、前述の通り、足首からかかと付近にかけては4カ所の関節が存在します。
これらの関節が連動して動いて、足首の運動(底屈、背屈、内転、外転、回内、回外)を可能にしています。

足の裏が勝手に凹凸に添うようになっている

また、中足趾骨関節や趾骨間関節では意識的に動かせる、屈曲、伸展、内転、外転に加え、受動的に起こる内旋と外旋というものがあります。
例えばヨガマットや布団のようにふわふわしたところでも、足場に合わせて勝手にうまくバランスをとっていますよね?
それは、足場の形状に合わせて足の指1本1本が内旋や外旋をして、受動的に凹凸に添うようになっているからです。

このように、足首から指先までの様々な関節が自由に、連動的に動けるようになっています。
そして、足場がでこぼこしていても、体勢がどちらかに偏っていたとしても、バランスを保って立つことができるのです。

グラウンディングを意識しすぎると自由度と連動性を失う

グラウンディングをするときに、足裏のアーチを一生懸命に意識したり、少しでも広く床を捕らえようと指に力を入れたりすると、足の筋肉が固まり、前述の様々な関節の可動域を制限させることになります。
そうすると、体勢や床に合わせて勝手に動いてくれる自由度と連動性が失われ、逆に安定性が低くなります。
それでもバランスを保とうとすれば、さらに踏ん張って足や脚に力を入れ…という悪循環になってしまうのです。

おわりに

ヨガはフローリングや畳の上にマットを敷くことが多いので、足下は平坦です。
それでもマットの質感に合わせて、足裏は常に対応し続けています。
安定と不動は同じものではありません。
足が自由に連動的に動ける構造であることを知って、それが機能できる状態を身体全体で作ることがグラウンディングなのかもしれませんね。

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