ヨがをしていると、グラウンディングという言葉をよく耳にします。
地に足を着け、土台を安定させるという目的で、下半身にフォーカスした言葉が誘導として使われます。
この記事ではそれらの言葉が思考にどのように影響するのか、そして身体の使い方がどう変化するのかを考察します。
グラウンディングは精神的に落ち着けるという意味もある
ヨガでグラウンディングを意識する場合、ポーズの土台となる下半身をしっかりさせたいという目的があります。
その中には忙しい日常を忘れて落ち着きたい、腰を据えたいといった精神的な意味も含まれていることでしょう。
日常では忘れがちになる安定感を求めたくなるのです。
グラウンディングの安定感は動かないこと?
さてここで、安定感という言葉の定義について考えてみましょう。
安定感があるというのは、動かずにフラフラしないことを指すのでしょうか?
確かに、どっしりと根を下ろした大木などは不動のように見えます。
それ故に、大地に根を張るイメージでグラウンディングをしている人も多いと思います。
下半身でグラウンディングしようとすると意識は下の方へ向う
大地に根を張るイメージを身体で再現しようとすると、意識はどうしても下半身の方に向うことになります。
さらに「足裏の3つのアーチを意識しましょう」「足の指を開いて床を捕らえましょう」といった誘導が加わると、頭の中は下半身、主に足のことばかりに集中することでしょう。
意識が下へ向うと頭を胴体へ引っ込めたくなる
以前の記事でもお伝えしましたが、私たちはちょっとしたことでも刺激を受けると、頭と首をつなぐ環椎後頭関節(AOジョイント、トップジョイント)付近の筋肉を固めて、頭を胴体へ引っ込める習慣があります。
頭を胴体へ引っ込めると、連動して脊椎や骨盤に付着する筋肉も固まり、長じて股関節、膝、足首、足裏の筋肉まで固まることになります。
つまり、全身の関節の本来の可動域を活かせなくなるということです。
そうすれば、ポーズもぎこちなく、無理をすることになってしまいますよね。
意識が上へ向うと身体全体の自由度と連動性を取り戻せる
逆に、根から幹を通って、枝へエネルギーや水分のようなものが広がっていくようなイメージをしたらどうなるでしょう?
頭を突き抜けて、上に横に広がり続けていくようなイメージです。
それは意識が上(頭)の方にあり続けることによって、身体全体を自覚的にコントロールしていることになります。
おわりに
「下半身を安定させてグラウンディングしているつもりなのに、なぜかフラフラしてしまう」ということは、多くの人が経験していると思います。
その要因としては、筋力不足などもあるのでしょう。
でも、下半身で安定させることばかりに気を取られて、必要以上の力が入り、身体全体を固めているせいという方が大きいのかもしれませんね。
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