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ロールダウンを効果的に行うなら肩甲骨の間を思い出そう

Body Mapping

頭、首、背中、腰と順番に前屈をするロールダウンや頭を最後になるように起き上がるロールアップなど、ヨガでは脊椎を一つひとつ動かすことがあります。
そこで、スムーズな脊椎の動作に役立つボディマッピング(自分の身体の再認識のポイント)をご紹介します。

ロールダウンは脊椎のストレッチに有効

前屈の方法のひとつとして、頭から順番に脊椎を動かすロールダウンがあります。
ヨガでは基本的に背中をまっすぐにして様々なポーズを行うため、身体の軸となる脊椎を無意識に固めて可動域を制限してしまうことが多いです。
そんなときに、脊椎を上から順番に動かすロールダウンは、脊椎にかかった制限を解いて本来の可動域を取り戻す訓練になります。

頸椎の下の方から胸椎にかけてを見失いがち

ところが、脊椎の一番上である、頸椎から一つひとつ順番に動いているつもりでも、途中で飛んでしまうことがあります。
飛んで見失った部分は、傍から見ると、塊となって動いています。
特に見失いがちなのが、頸椎の下の方から胸椎の中ほどの辺り。

頸椎や胸椎を見失う理由は「背中をまっすぐ」

頸椎や胸椎を動かすイメージがあやふやになる原因として、筆者は「背中をまっすぐ」に代表される美しい姿勢などの概念が影響していると考えます。
見失いやすいところは、だいたい背中に属する部分です。
日頃から背中をまっすぐにしようと思っていると、身体は左右の肩甲骨を強制的に引き寄せます。
そのとき、肩甲骨周りの筋肉は硬直し、頸椎や胸椎をひとつの塊として動かそうとするのです。
そして、思考もそれに引きずられます。

肩甲骨の間にあるものを思い出そう

写真の左側を見て、左右の肩甲骨の間を確認しましょう。
「背中をまっすぐ」と思うとどうしても肩甲骨を中央に寄せて、背中を狭くしたくなりますが、肩甲骨の間は思っているよりも広いです。
そこには、胸椎の棘突起が並んでいます。
また、横突棘とつながった肋骨も見えますね。

胸椎は胴体側にもあると思ってロールダウンしよう

次に写真の右側をみて、胴体の内側から胸椎の椎体の部分を確認してください。
椎体の部分が胴体の内側に向って、かなり盛り上がっていると思いませんか?
それに、胸椎が椎体のところで積み重なっているのがよくわかります。

写真で肩甲骨の間や内側から見た胸椎を確認したら、頭から順番にロールダウンしてみましょう。
前よりもスムーズにロールダウンができるでしょう。

おわりに

「背中をまっすぐ」に思考が引きずられてしまうのとは逆に、本来の身体の構造を視覚的に確認することで、思考を通じて動作を変化させることも可能です。
通っているヨガスタジオ、整体やマッサージなどの施術院で骨格模型を直接見る機会があれば、ぜひ本物で確認してくださいね。

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